セッション情報 口演

大腸癌 化学療法

タイトル O-140:

化学療法を行った切除不能大腸癌の5年以上長期生存例の検討

演者 傳田 忠道(千葉県がんセンター消化器内科)
共同演者 稲垣 千晶(千葉県がんセンター消化器内科), 喜多 絵美里(千葉県がんセンター消化器内科), 北川 善康(千葉県がんセンター消化器内科), 中村 奈海(千葉県がんセンター消化器内科), 相馬 寧(千葉県がんセンター消化器内科), 鈴木 拓人(千葉県がんセンター内視鏡科), 須藤 研太郎(千葉県がんセンター消化器内科), 中村 和貴(千葉県がんセンター消化器内科), 三梨 桂子(千葉県がんセンター臨床試験推進部), 廣中 秀一(千葉県がんセンター臨床試験推進部), 原 太郎(千葉県がんセンター内視鏡科), 早田 浩明(千葉県がんセンター消化器外科), 滝口 伸浩(千葉県がんセンター消化器外科), 山本 宏(千葉県がんセンター消化器外科), 山口 武人(千葉県がんセンター消化器内科)
抄録 【目的】5年以上生存した切除不能大腸癌を調査し長期生存を目指す治療を模索した.【方法】2005年以降に化学療法を施行した切除不能大腸癌で5年以上長期生存した21例の背景因子,治療内容を検討した.【結果】当院で化学療法を行い死亡までの経過を確認した301例と現在生存中の203例の計504例を調査した結果,5年以上の長期生存は504例中21例(4.2%)であった.10例は死亡し生存期間の中央値は66か月(61~83か月)であった.6例は治療継続中,5例はCRで無治療経過観察中である.21例の年齢の中央値は64歳(36~75歳),治療前のPSは0が100%,原発巣は直腸43%,S状結腸43%,その他14%,病理所見はtub1が48%,tub2が38%,KRAS遺伝子は測定した15例中87%が野生型であった.転移部位は肺32%,肝41%,リンパ節23%,局所再発14%,腹膜播種9%,骨転移5%,転移部位数の中央値は1(1~2)であった.治療前のCEAの中央値は3 ng/ml,CA19-9は11 U/mlであった.化学療法開始前に原発巣は100%の症例で切除していた.転移巣は33%の症例で切除して切除後の再発であった.投与薬剤はoxaliplatin 100%,irinotecan 52%,bavacizumab 46%,抗EGFR抗体薬33%であった.FOLFOXの腫瘍縮小効果は17例で評価しCR 35%,PR 30%,SD 35%,PD 0%であった.24%の症例は治療中止後もCRを維持し無治療観察期間の中央値は38か月(20~66か月)であった.【結論】長期生存例はPS 0,転移部位数は1,S状結腸または直腸癌で原発巣は切除,治療前CEAとCA19-9が基準値内,KRAS遺伝子は野生型が多かった.予後良好例には長期生存を目指す治療を切除手術も含めて積極的に行い,予後不良例には新規薬剤の開発など治療内容の改善が必要であると考えた.
索引用語