セッション情報 口演

大腸癌 化学療法

タイトル O-141:

術前化学放射線療法を施行した下部直腸癌,間膜内リンパ節の臨床病理学的検討

演者 別府 直仁(明和病院外科)
共同演者 前田 晃宏(明和病院外科), 小野 朋次郎(明和病院外科), 友松 宗史(明和病院外科), 飯田 洋也(明和病院外科), 吉江 秀範(明和病院外科), 生田 真一(明和病院外科), 木村 文彦(明和病院外科), 相原 司(明和病院外科), 柳 秀憲(明和病院外科), 山中 若樹(明和病院外科)
抄録 目的;c-T3N0-2下部直腸癌に対して術前短期放射線療照射を行うことで転移陽性間膜内リンパ節が制御される条件について検討すること.方法;2001年から2011年までに根治手術を行ったc-T3N0-2下部直腸癌140例のうち間膜内リンパ節転移を伴った53例を対象とした.25Gy/10fr/5daysの短期照射を行い,照射終了後2-3週目に腸管切除+TMEを行った.切除標本を,原発巣はDworak分類にてtumor regression grade(TRG)1-4に評価し,転移陽性リンパ節はlymph node regression grade(LRG)1-3に分類(LRG1;nimor~moderate regression,LRG2;good regression,LRG3 total regression)し,LRG2または3は術前放射線照射の治療効果により増殖困難なリンパ節とした.個々のリンパ節径を測定し,TRG,リンパ節径とLRGの関係について検討した.結果;53例144転移陽性リンパ節の内訳はLRG1;74個,LRG2;48個,LRG3;22個で,原発巣についてはTRG1;24例 TRG2;15例 TRG3;14例であった.リンパ節径が10mm以上の転移陽性リンパ節では1/15(6.7%)でLRG1であった.一方,10mm未満の転移陽性リンパ節をTRGごとに検討すると,TRG1;26/77(33.8%),TRG2;20/29(69.0%),TRG3;23/23(100%)でLRG2または3あった.結論;術前短期放射線療法の治療効果がTRG3-4で間膜内リンパ節径が10mm以下の症例においては術前短期放射線療法にてリンパ節転移は制御可能であると考えられた.
索引用語