セッション情報 口演

大腸 IBD 4

タイトル O-143:

クローン病に対するInfliximab療法における炎症性サイトカイン動態―IL-6と疾患活動性との関連―

演者 千葉 俊美(岩手医科大学消化器・肝臓内科)
共同演者 水谷 友美(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 佐藤 邦彦(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 春日井 聡(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 松田 望(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 横山 直記(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 鳥谷 洋右(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 亀井 将人(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 安部 圭之助(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 小豆嶋 立頼(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 赤坂 理三郎(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 柴田 将(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 安孫子 幸人(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 小穴 修平(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 廣田 茂(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 遠藤 昌樹(岩手医科大学消化器・肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】我々はTNF-α抗体薬投与により血清IL-6が低下することを報告している(Hepato-Gastroenterology 2011;58:1523,JDDW2012).今回,血清IL-6に注目し,IFX投与によるクローン病(CD)患者の治療効果と血清IL-6の関連を検討した.【対象】CD患者35例(男性22例,女性13例,平均年齢31.9歳)を対象とした.病型は小腸型10例,小腸大腸型21例,大腸型6例であり,平均罹病期間は80ヵ月(1-216ヵ月)であった.【方法】CDAI値をIFX(5mg/kg)投与前,投与4週後,8週後で測定した.同時に,17種類の血清サイトカインをBio-plex,Bio-RadおよびBio-Rad抗体パネルを用いて測定した.また,IFX投与前のサイトカイン値に基づいてTNF-α高値群(5 pg/ml以上;14例)とTNF-α低値群(5 pg/ml未満;21例)およびIL-6高値群(10 pg/ml以上;17例)とIL-6低値群(10 pg/ml未満;18例)の2群に分けてCDAIとの関連を検討した.さらに,投与8週後のCDAI値が150未満を寛解群,150以上を非寛解群とした.【結果】CDAI値:症例全体のCDAI値は,投与前と比較して投与4週および8週後に有意な低下を認めた(p<0.05).また,IFX投与前のCDAI値はTNF-αおよびIL-6高値群がそれら低値群と比較して高い傾向を示した.さらに,投与8週後のCDAI値はTNF-α高値群およびIL-6高値群において投与前と比較して有意な低下を認めた.血清IL-6:症例全体では,血清IL-6は投与前と比較して投与4週後に有意な低下を認めた.IL-6高値群における変化は,投与前と比較して投与4週後に有意な低下を認めた.さらに,寛解群における血清IL-6は,投与前と比較して投与4週後および投与8週後に低下傾向が認められた.【結論】血清IL-6を低下させることは,CD患者の疾患活動性を制御する可能性がある.
索引用語