セッション情報 口演

大腸 IBD 6

タイトル O-150:

潰瘍性大腸炎ステロイド依存難治例に対するLong-interval CAPの治療効果に関する検討

演者 飯塚 政弘(秋田赤十字病院附属あきた健康管理センター)
共同演者 衛藤 武(秋田赤十字病院消化器科), 相良 志穂(秋田赤十字病院附属あきた健康管理センター)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)難治例に対して血球成分吸着除去療法(CAP)が広く行われ,その有用性が評価されていている.しかし,ステロイド依存難治例に対するCAPの使用法,有用性については十分な検討が行われているとはいえない.われわれは,以前よりステロイド依存例においてはCAP間隔を長くし(2~3週間)原則としてステロイド減量が終了するまでCAPを継続する治療法を“Long-Interval CAP(LI-CAP)”と命名し,ステロイド減量・離脱におけるその有用性について報告を行ってきた.今回,さらに症例を集積して治療効果について検討を行ったので報告する.また,LI-CAP施行時の“温感”の有無と治療効果についても解析を行った.【方法】2010年4月~2012年9月に,ステロイド依存難治性UC9例(男5,女4,平均年齢41.2歳)に対して10回(1回1~2クール)のLI-CAPを施行した.これらの症例を対象に,(1)治療後のUC活動指数(Lichtiger index)の改善度,(2)寛解率およびステロイド離脱率,(3)CAP施行時の温感(手足または腹部)の有無による寛解率の相違について解析を行った.【成績】(1)UC活動指数はCAP治療前後で8.4から2.4(p=0.0003)に改善を示した.(2)寛解率は70%で,このうちの6例(60%)がステロイド離脱に成功した.(3)温感は8例(8回)で認められ,このうち7例(87.5%)が寛解に至り,6例(75%)がステロイド離脱に成功した.温感が認められなかった2例(2回)は,いずれも無効例であった.【結論】LI-CAPはステロイド依存UC難治例に対する有用な治療法と考えられた.また,CAP施行時の温感の有無はLI-CAPの治療効果を早期に予測しうる因子として有用と考えられた.
索引用語