セッション情報 口演

大腸 IBD 6

タイトル O-153:

当院における潰瘍性大腸炎に対する血球成分除去療法の有用性に関する検討

演者 小木曽 富生(岐阜市民病院消化器内科)
共同演者 高木 結衣(岐阜市民病院消化器内科), 入谷 壮一(岐阜市民病院消化器内科), 加藤 潤一(岐阜市民病院消化器内科), 黒部 拓也(岐阜市民病院消化器内科), 渡部 直樹(岐阜市民病院消化器内科), 鈴木 祐介(岐阜市民病院消化器内科), 中島 賢憲(岐阜市民病院消化器内科), 川出 尚史(岐阜市民病院消化器内科), 林 秀樹(岐阜市民病院消化器内科), 向井 強(岐阜市民病院消化器内科), 杉山 昭彦(岐阜市民病院消化器内科), 西垣 洋一(岐阜市民病院消化器内科), 加藤 則廣(岐阜市民病院消化器内科), 冨田 栄一(岐阜市民病院消化器内科), 山田 鉄也(岐阜市民病院中検病理)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)に対する診療ガイドラインには血球成分除去療法(CAP)が治療選択枝のひとつとされている.最近,週1回の通常療法(通療)以外に週2回以上施行できる強化治療(強療)が可能となった.今回,当科においてUC症例を対象にCAPの有用性について検討を行った.【対象と方法】2001年4月から2012年8月までに当科でCAPを施行したUC患者は74名(男性42例,女性32例)を対象とした.平均発症年齢は36.5±18.1(11-77)歳,平均罹患年数は5.4±6.7(0-36)年.初回発作型16例,再燃寛解型55例,慢性持続型3例で,CAP施行時の重症度は軽症2例,中等症63例,重症9例で,また直腸炎型1例,左側大腸炎型28例,全結腸炎型45例であった.CAPの有用性はRachmilewitz indexのCAIスコアと内視鏡所見(EI)スコアの改善で評価した.【成績】CAPは単回施行54例と複数回施行20例の74例で計130回が施行されていた.顆粒球吸着療法(GCAP)は91回,白血球除去療法(LCAP)は39回であった.CAP導入時は74例中57例(77%)で5ASA製剤とステロイド剤が併用されていた.通療は38例中26例(68.5%)に有用で,うち12例は再燃時に通療が繰り返し施行され,ステロイドの増量は不要で有用性が高かった.また再燃時に通療から強療に変更した7例は5例(71.4%)で有用であった.一方,導入当初から強療を選択した29例は23例(79.3%)に有用で,CAPは導入時から強療を選択すべきと思われた.GCAPとLCAPに明らかな差異はなかった.副作用は130回中8例(6.1%)にみられた(頭痛1例,背部痛1例,溶血性貧血1例).【結論】CAP療法は他の治療との併用で寛解導入が得られる比較的安全な治療法であり,導入当初から積極的に強療を選択することが有用と思われた.
索引用語