セッション情報 口演

大腸 IBD 6

タイトル O-154:

外来潰瘍性大腸炎患者に対する顆粒球・単球吸着療法(GMA)の効果予測因子の検討

演者 河合 幹夫(兵庫医科大学内科学下部消化管科)
共同演者 横山 陽子(兵庫医科大学内科学下部消化管科), 福永 健(兵庫医科大学内科学下部消化管科), 上小鶴 孝二(兵庫医科大学内科学下部消化管科), 河野 友彰(兵庫医科大学内科学下部消化管科), 野上 晃司(兵庫医科大学内科学下部消化管科), 中村 志郎(兵庫医科大学内科学下部消化管科), 三輪 洋人(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 松本 譽之(兵庫医科大学内科学下部消化管科)
抄録 背景・目的:顆粒球・単球吸着療法(GMA)は,難治性活動期潰瘍性大腸炎(UC)に対する有効な治療であるが,近年のUC治療の飛躍的な進歩によりその位置づけは明確でない.今回,我々はGMAの利点とされる安全性を生かして外来再燃患者に対する導入の有効性と位置づけを検討するため,外来でGMAを施行した急性期UC症例を後ろ向きに検討し,その寛解導入効果と症例背景の解析から効果予測因子について考察した.対象・方法:2007-2010年に週1回法でGMAを導入した外来再燃患者43名を対象とした.患者の平均年齢は41.5才,平均罹病期間は7.2年,また疾患活動性(Lichtiger’s clinical activity index;CAI)は平均9.1点,内視鏡的活動性(Rachmilewitz’s endoscopic index;EI)は平均8.5点であった.GMA10回終了後に評価しCAI≦4を臨床的寛解とした.またEI<4を粘膜治癒とした.GMAの臨床効果と,寛解群と非寛解群の症例背景を比較しその効果予測因子について解析した.結果:寛解導入率は,53.5%(23/43),そのうちの粘膜治癒率は56.5%(13/23)であった.また臨床的寛解をえた症例のうちの1年間の寛解維持率は47.8%(11/23)でその72.1%(8/11)が10回終了時に粘膜治癒となっていた.GMAの効果予測因子について多変量回解析した結果,再燃からGMA施行までの日数[日](P=0.013)とAZA併用の有無(P=0.018),罹病期間[年](P=0.042),GMA施行前のWBC数[μl](P=0.022)において有意な結果をえた.結論:今回の結果よりGMAは罹病期間の短い症例で有効であることが証明されたが,新たにその安全性を生かして再燃早期に積極的に導入することで患者を外来に留めたまま臨床効果をより向上できる可能性とAZA加療中の再燃症例に対する有効性も示唆された.
索引用語