セッション情報 口演

胃癌 化学療法1

タイトル O-156:

進行胃がんに対するセカンドラインとしてのS-1 based sequential therapy

演者 森田 香織(兵庫県立西宮病院腫瘍内科)
共同演者 楢原 啓之(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 杉本 直俊(大阪府立成人病センター臨床腫瘍科), 安田 華世(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 青井 健司(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 斎田 美希(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 池添 世里子(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 柳川 和範(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 増田 江利子(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 福島 寿一(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 松本 仁(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 安永 祐一(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 乾 由明(兵庫県立西宮病院腫瘍内科), 河田 純男(兵庫県立西宮病院腫瘍内科)
抄録 【背景】進行胃がんを対象として第III相臨床試験(SPIRITS試験,GC0301/TOP-002試験,START試験)が行われた.SPIRITS試験においてCDDP+S-1併用療法は唯一OSの優越性を証明したが,他の試験では証明されなかったためわが国ではCDDP+S-1療法が標準治療とされている.しかしこれら3試験における二剤併用群のMSTは各々13.0,12.8,13.0カ月,1生率は各々46.7%,44.9%,46.0%と同等の成績である.その一方でサブセット解析では,SPIRITS試験は若年者,PS良好,腹膜播種ありなどで二剤併用群のOSが良好であったが,他の試験では全く異なる結果であった.ファーストラインでのS-1併用薬剤の違いのみならず,セカンドラインのOSへの関与が考えられる.【対象】1.第III相試験のセカンドラインを比較検討した.2.ファーストライン臨床試験に登録された自験例89例を対象としてセカンドラインの観点から検討した.【成績】1.第III相試験におけるセカンドラインへの移行率は,各々72%,83%,73%であった.二剤併用後のセカンドラインレジメンはタキサンが51%,40.6%と最多であった.GC0301/TOP-002では二剤併用後はS-1単剤27.1%,S-1単剤後はCPT-11+S-1/CPT-11+CDDPが16.9%を占めた.2.自験例でのセカンドラインへの移行率は74%であった.セカンドラインの内訳はS-1併用療法40例,他剤26例であった.これらの間にPFSやTime to second progressionは有意な差を認めなかったが,ファーストラインからのOSは各々15.8,13.3カ月であり,セカンドラインにおけるS-1併用療法の有用性が示唆された(p=0.020).さらにキードラッグ(S-1,CDDP,CPT-11,タキサン)をすべて使用した患者群のOSが最も長い傾向にあった.【考察】セカンドラインにおけるS-1 based sequential therapyの有用性が示唆された.
索引用語