セッション情報 口演

胃癌 化学療法1

タイトル O-158:

胃癌根治術後再発時期に関する検討

演者 毛利 靖彦(三重大学消化管・小児外科学)
共同演者 田中 光司(三重大学消化管・小児外科学), 大井 正貴(三重大学先端的外科技術開発学), 石野 義人(三重大学消化管・小児外科学), 安田 裕美(三重大学消化管・小児外科学), 井出 正造(三重大学消化管・小児外科学), 荒木 俊光(三重大学消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大学消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大学消化管・小児外科学)
抄録 【目的】胃癌根治術後の再発は,外科的技術の向上および補助化学療法の発達により改善は認められるものの未だ十分な結果ではない.胃癌の再発時期及び再発形式については十分に明らかにされておらず,それに関わる因子についても不明な点が多い.今回,我々は,当科にて根治手術を施行後,再発をきたした胃癌症例を対象に再発時期および再発形式を検討し,それに関わる因子について検討する.【方法】当科にて根治手術を施行し再発をきたした74例を対象とした.再発時期を1年以内の症例を早期再発群,術後1年以降に再発した症例を晩期再発群とした.また,再発形式においては,局所再発,腹膜播種再発,リンパ節再発,血行性再発の4群に分け検討した.【結果】対象症例の平均年齢は66.9歳,男性55例,女性19例であった.また,平均再発時期は根治術後16.1カ月であった.術後無再発生存期間および中央全生存期間は,14ヶ月および25か月であり,5年以上生存している症例は7例であった.早期再発症例は33例,晩期再発症例は,41例であった.多変量解析より,早期再発に関わる因子として,リンパ節転移比率(>0.3)およびCEA高値(>6)が同定された.再発形式においては,局所再発2例,腹膜播種再発32例,リンパ節再発27例,血行性再発34例認められた.遠隔再発症例および遠隔転移陰性再発症例の無再発中央生存期間はそれぞれ9.9ヶ月,16.7ヶ月であり,遠隔転移再発転移症例で有意に早期再発していた.その他の再発形式で無再発生存期間に有意差は認められなかった.転移形式別再発後生存率においては,リンパ節再発症例で予後不良の傾向が認められ,脈管侵襲がリンパ節再発に関与する因子であった.【結論】リンパ節転移比率>0.3および術前CEA値>6を示す症例では術後早期の厳重なフォローアップが必要である.また,脈管侵襲を伴うリンパ節再発症例における化学療法の強化が必要であると考えられた.
索引用語