セッション情報 口演

胃癌 化学療法2

タイトル O-162:

進行再発胃癌に対する化学放射線療法の治療成績について

演者 伊地知 徹也(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科)
共同演者 有上 貴明(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 石神 純也(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 上之園 芳一(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 奥村 浩(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 内門 泰斗(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 佐々木 健(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 大脇 哲洋(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科), 夏越 祥次(鹿児島大学消化器・乳腺甲状腺外科)
抄録 <はじめに>当科では遠隔病変のない高度進行再発胃癌に対しては積極的に化学放射線療法を行っている.その治療成績を示し,胃癌に対する化学放射線療法のあり方を考察した.<対象と方法>2000年以降 化学放射線療法を行った進行再発胃癌症例17例を対象とし,治療内容や追加療法およびその予後について検討した.17例の照射部位はリンパ節転移を含めた原発巣10例,吻合部再発3例,リンパ節再発4例であり,総照射量は35Gy-55Gyであった.併用化学療法としては低用量CDDP+S1の併用が最も多かった.<結果>原発巣に照射を行った10例中6例(60%)で著効を示した.5例で根治手術を施行したが,2例が下縦隔転移を伴う食道浸潤胃癌であり,現在全例無再発生存中である.リンパ節再発7例はSD-PR症例は5例(72%)であり,1例は照射後に再発部位を切除し,18か月無再発生存中である.<まとめ>播種や肝転移など遠隔転移のない局所進行胃癌に対する放射線化学療法は原発巣,リンパ節転移巣ともに制御効果は高いことが示された.これら症例に対する追加切除は有効であり,術後の治療成績は良好である.併用する化療治療内容や照射範囲,追加手術のタイミングなど解決されなければならない問題があるが,再発リスクの高い高度進行胃癌症例に対する術前放射線化学療法の有用性が示唆された.
索引用語