セッション情報 |
口演
肝癌4
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タイトル |
O-168:乏血性高分化型肝細胞癌における動注CT,EOB-MRIと造影超音波所見の比較検討
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演者 |
出口 章広(公立八女総合病院肝臓内科) |
共同演者 |
永松 洋明(公立八女総合病院肝臓内科), 正木 勉(香川大学医学部消化器神経内科) |
抄録 |
【目的】乏血性高分化型肝細胞癌はその多くが早期肝細胞癌と考えられるが,そのような症例における動注CT,EOB-MRIと造影超音波所見との比較検討は十分とはいえない.今回我々は動注CTで乏血性を示し,組織学的に高分化型肝細胞癌(wdHCC)と診断された肝細胞癌患者においてEOB-MRIと造影超音波(CEUS)を施行し,その画像所見について比較検討を行ったので報告する.【対象と方法】対象は2008年3月から2012年7月の期間に腹部超音波で肝内結節を指摘され腫瘍生検でwdHCCと診断されたC型肝硬変患者43例52結節(腫瘍径の中央値は12mm)である.【結果】まず結節の検出率を比較すると,CEUSの後血管相では48.1%,CTAPでは67.3%に対してEOB-MRI肝細胞相では96.1%と有意に高かった.しかし,CTHAも含めた動注CT全体の検出率は96.1%とEOB-MRIと同等であった.さらにEOB-MRI肝細胞相で検出できなかった2例はいずれも心臓近傍の病変であったが,動注CTでは検出可能であった.次に腫瘍径が15mm未満の結節と15mm以上の結節で検出率を比較すると動注CTとEOB-MRIでは差がなかったが,CEUSの後血管相では15mm未満では48.7%に対して15mm以上では61.5%と高い傾向を認めた.CEUSの所見をさらに検討すると,血管相で周囲肝より強く造影される結節は2結節(3.9%)のみであり,周囲肝と同程度に造影される結節が31結節(59.6%),ほとんど造影効果のない結節が19結節(36.5%)であった.動注CTとの関連を検討すると,後血管相とCTAPで共にdefectとなる結節が15結節(28%)と少なく,CEUSと動注CTの関連性は認めなかった.【まとめ】乏血性高分化型肝細胞癌の診断においてEOB-MRIは検出能に優れ,非侵襲的検査でもあることから非常に有用であると考えられる.しかし,結節の部位によっては診断が困難な場合があり,動注CTを行うことによりさらに検出率が向上する可能性が示唆された. |
索引用語 |
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