セッション情報 口演

肝癌4

タイトル O-170:

HCCに対するRFAの治療支援としてflat-panel detector angiographic CTの有用性

演者 加藤 慶三(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科)
共同演者 安達 哲史(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 立花 浩幸(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 佐藤 祥之(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 井家 麻紀子(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 戸田 剛太郎(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科), 島田 紀朋(新松戸中央総合病院消化器・肝臓科)
抄録 【目的】HCCの局所治療としてRFAは標準治療として確立されているが,超音波検査(US)画像をガイドにしてRFA電極を穿刺するため,ドーム下やS1等の深部病変,RFA後の局所再発など,通常のUSでの描出が困難なため,RFAを躊躇せざるを得ない症例もある.Flat-panel detector(FPD)搭載血管造影装置を用いたFPD angiographic CT(FACT)は,CT画像やその3D画像を短時間で再構築でき,穿刺した電極の位置を3DCTで確認できる.今回RFAの治療支援としてFACTで穿刺位置を確認することで,良好な治療成績が得られたため報告する.【方法】対象は当科にて2012年4月以降RFAを施行したHCC18例,25結節(ドーム下7結節・S1 1結節・局所再発6結節・術前のUSで描出困難な11結節).男性/女性11/7例,年齢平均70.0(57-81)歳,全例肝硬変でHCV/Alcoholic/NASH 16/1/1例,Child-Pugh score平均5.7点,1回あたりの凝固結節数1.4(1-4)結節,最大腫瘍径18.6(5-40)mm.FPDで血管造影を行い,ミリプラチン±ゼラチンスポンジ細片で選択的にTACE(TAI)を行った.RFAは1~4日後に行った.USで描出困難なHCCは,CEUSやV-NavをガイドにRFA電極をHCCに穿刺した.リピオドールの貯留したHCCに正確に穿刺されているか否かを3DCTで確認し,電極の位置を微調整した.展開針は周辺臓器への穿刺や圧排のないことを確認し,展開の範囲を調節してから凝固し,翌日CTで効果判定をした.【結果】40mmの2結節は2回のセッションで,それ以外は1回のセッションで全例良好なablation marginが得られた.1例に胆道出血を認めたが,Hbの低下はなく自然経過で速やかに軽快した.【結論】全結節に対して客観性を持って正確なRFA電極の穿刺が可能となり,十分な治療効果が得られた.FACTはHCCに対するRFAの治療支援として画期的な威力を発揮する強力なツールとなり得ると考えられた.
索引用語