セッション情報 口演

肝癌4

タイトル O-171:

当院における転移性肝癌に対するラジオ波焼灼術施行症例の治療成績

演者 鯉田 五月(八尾徳洲会総合病院肝臓センター)
共同演者 木村 拓也(八尾徳洲会総合病院肝臓センター), 松田 康雄(八尾徳洲会総合病院肝臓センター)
抄録 【目的】転移性肝癌に対するRFAの有効性は明らかになっていない.転移性肝癌に対してラジオ波焼灼術(RFA)を行った症例について合併症および治療成績を検討した.【方法】2005年5月から2012年2月に転移性肝癌に対しRFAを施行した症例は25例37結節であった.うち減量目的にRFAを施行した4例6結節をのぞいた21例31結節を対象とした.年齢は64-83歳(平均74.7歳)で男性15例,女性6例であった.原発巣は大腸16例(23結節),胃5例(8結節)であった.また14例はRFA前に肝切を行っている.上記症例に対して治療を要したRFAに関連した合併症の検討,また治療成績として1年以内の局所再発および生存率に関して検討した.穿刺方法は全身麻酔下で経皮的に穿刺し,穿刺針はCool-tip needleを用いた.【成績】全例原発巣切除後の同時性もしくは異時性転移症例に対し,RFAを施行した.RFA時腫瘍径は0.7‐3.4cm(平均1.85cm)腫瘍個数は1/2/3/4=14/5/1/1例,RFA時肝外病変あり/なし=1/20例,RFA前化学療法あり/なし=3/18例,観察期間120-2190日(平均744日),RFA後化学療法あり/なし=3/17例であった.合併症は1例(1結節)に認めRFA中に腹腔内出血を認め中止したが,保存的療法で軽快した.1年以内の局所再発は大腸癌症例で4例4結節(18%),胃癌症例で1例1結節(12%)に認め,両群間に有意差は認めなかった.またRFA後の局所再発と再発なしでは腫瘍径や腫瘍部位や焼灼出力(W)には有意差はなかった.RFA後の累積生存率は大腸癌症例では1年78.6%,3年21.4%,5年14%,胃癌症例では1年66.7%,3年0%,5年0%で,両群間に有意差は認めなかった.【結論】転移性肝癌症例にRFAを導入し,治療成績を検討した.重篤な合併症を1例に認めたが,保存的療法で軽快した.転移性肝癌において局所再発に寄与する因子はなかったが,転移性肝癌においてRFAは集学的治療の一環を担っていると考えられた.
索引用語