セッション情報 口演

肝癌5

タイトル O-175:

非B非C型肝細胞癌症例におけるPNPLA3遺伝子多型と臨床所見の検討

演者 馬場 伸介(香川県立中央病院肝臓内科)
共同演者 高口 浩一(香川県立中央病院肝臓内科), 高嶋 志保(香川県立中央病院消化器内科), 泉川 孝一(香川県立中央病院消化器内科), 石川 茂直(香川県立中央病院消化器内科), 三好 正嗣(香川県立中央病院消化器内科), 和唐 正樹(香川県立中央病院消化器内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院肝臓内科), 稲葉 知己(香川県立中央病院消化器内科), 永野 拓也(香川県立中央病院肝臓内科), 渡邊 精四郎(香川県立中央病院中央検査部), 河合 公三(香川県立中央病院消化器内科), 池田 房雄(岡山大学消化器・肝臓内科学), 山本 和秀(岡山大学消化器・肝臓内科学)
抄録 【目的】PNPLA3 rs738409 C>G polymorphismが肝臓での脂肪蓄積(triglyceride含量増加)に関係するといわれている.さらに最近では肝細胞癌(HCC)発症の予測因子との報告もある.今回我々は,PNPLA3のSNP解析を行った非B非C型肝細胞癌(NBNC-HCC)症例のrs738409の遺伝子型と臨床所見との関連性について検討した.【方法】2005年1月から2010年12月の間にNBNC-HCCと診断され,現在当院に通院加療されている60症例のうちPNPLA3のSNP解析を行った43例(男29,女14,平均年齢70.7±9.1歳(39~86))を対象とした.対象43例はアルコール性肝疾患(ALD)14,PBC 3,AIH 3,NASH 2を含む.対象症例のPNPLA3のSNP解析を行いrs738409の遺伝子型と臨床所見との関連性について検討した.【結果】NBNC-HCC 43例についてrs738409の遺伝子型はCC:CG:GG=7:17:19であった.GGとGG以外について背景を比較するとNASHとAIHは全例GGであった.一方ALDの割合はGGでは15.8%に対してGG以外では45.8%と高かった.さらにNBNC-HCC 43例のGGとGG以外についてBody Mass Index(BMI),血小板(PLT),総コレステロール(T-CHO),中性脂肪(TG),糖尿病合併率,HCCの病期,腫瘍数,最大腫瘍径を比較したところBMI,TG,糖尿病合併率はGGが有意に高かったが,その他は有意差を認めなかった.【結論】NBNC-HCC症例におけるrs738409の遺伝子型についてGGはGG以外と比べNASHやAIHの占める割合が高く,BMI,TG,糖尿病合併率が有意に高い.今後はPNPLA3遺伝子多型とHCCの発症との関連について検討していく必要がある.
索引用語