セッション情報 | 口演肝癌5 |
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タイトル | O-176:生活習慣病を背景とした肝発癌のサーベイランス |
演者 | 細川 貴範(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科), 松田 秀哉(武蔵野赤十字病院消化器科), 中田 徹(武蔵野赤十字病院消化器科), 村岡 優(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 雄一朗(武蔵野赤十字病院消化器科), 玉城 信治(武蔵野赤十字病院消化器科), 安井 豊(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 祥子(武蔵野赤十字病院消化器科), 上田 研(武蔵野赤十字病院消化器科), 西村 貴士(武蔵野赤十字病院消化器科), 中西 裕之(武蔵野赤十字病院消化器科), 土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科), 板倉 潤(武蔵野赤十字病院消化器科), 高橋 有香(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【目的】肥満人口の増加,食生活の欧米化などから今後NASHを背景とした発癌の増加が予想される.NASH肝癌は,正常肝から脂肪肝,NASHを経て肝癌発生に至ると予想されるが,NASHは脂肪肝の一部でしかなく,NASHの全てが肝疾患で予後を規定されるわけではないため,脂肪肝症例のうちどのような症例を積極的に肝生検するかが課題である.【方法】当院で初回治療を行った肝癌1504例のうちNASHを背景とする41例と当院で2007年1月から2012年2月までに人間ドックを受診した10319例のうちHBs抗原陽性とHCV抗体陽性を除外し,腹部エコーで脂肪肝を認めた3331例との背景の比較をおこなった.【成績】肝癌症例は検診症例とくらべBMI,AST,ALT,γGTP,HbA1cは高値であり,血小板,アルブミン,総コレステロール,中性脂肪は低値であった.高血圧,糖尿病の合併は多かったが,脂質異常症は有意差を認めなかった.多変量解析では総コレステロール値のみが有意であった.肝癌症例と検診症例でdecision tree解析で4群に分けるとA群アルブミン4以上かつAST36以下,B群アルブミン4以上かつAST36以上,C群アルブミン4以下AST33以下,D群アルブミン4以下AST33以上に分かれ,それぞれの肝癌症例の割合は全体3372例中41例(1.22%),A群2894例中0例(0%),B群320例中6例(1.87%),C群108例中5例(4.63%),D群50例中30例(60%)であった.【結論】脂肪肝であってもアルブミン4以上の段階では発癌リスクはかなり低いため,まずは生活指導により脂肪肝の改善をはかることが重要であると考えられるが,アルブミンが4以下では発癌リスクが無視できず,さらにAST33以上では発癌リスクがかなり高いと考えられ,積極的に肝生検を勧めるとともに発癌を念頭においたスクリーニングが必要であると考えられる. |
索引用語 |