セッション情報 | 口演肝癌6 |
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タイトル | O-178:C型慢性肝疾患症例におけるインターフェロン治療によるSVR後肝発癌症例についての検討 |
演者 | 塩田 純也(長崎大学病院消化器内科) |
共同演者 | 市川 辰樹(長崎大学病院消化器内科), 高原 郁子(長崎大学病院消化器内科), 吉村 映美(長崎大学病院消化器内科), 妹尾 健正(長崎大学病院消化器内科), 内田 信二郎(長崎大学病院消化器内科), 加茂 泰広(長崎大学病院消化器内科), 柴田 英貴(長崎大学病院消化器内科), 本田 琢也(長崎大学病院消化器内科), 田浦 直太(長崎大学病院消化器内科), 大仁田 賢(長崎大学病院消化器内科), 竹島 史直(長崎大学病院消化器内科), 中尾 一彦(長崎大学病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年,C型慢性肝疾患(HCV)に対する治療の進歩によりインターフェロン治療によるウイルス学的著効(SVR)率が上昇し,HCV関連肝癌が抑制されている.しかし,SVR後に肝発癌症する症例が散見されSVR後も腹部画像検査による経過観察が必要である.本研究では,インターフェロン治療によるSVR後肝発癌症例の特徴について検討を行った.【対象】1979年より2011年までの期間,当科においてC型慢性肝疾患に対しインターフェロン治療施行後SVRと診断され,さらにHBs抗原陽性例,経過観察期間が1年未満の症例を除外した76例を対象とした.これらの症例で経過観察中肝癌を発症した症例(発癌例)9例,発癌しなかった症例(非発癌例)67例に分類し肝発癌について検討を行った.【結果】SVR症例における,発癌例9例と非発癌例67例を比較すると,血小板数(発癌例11.4万/μl,非発癌例17.7万/μl),総ビリルビン値(発癌例0.95mg/dl,非発癌例0.7mg/dl),AFP値(発癌例8ng/ml,非発癌例3ng/ml),肝線維化F3以上が有意な因子であった.さらに肝発癌に寄与する因子をCox比例ハザードモデルによる単変量解析を行ったところ,肝線維化(F3以上:p=0.034 HR6.54)のみが有意な因子であった.また,累積肝発癌率を肝線維化別にKaplan-Meier法を用い検討したところ,F3以上の肝線維化進展例では,5年の累積肝発癌率が20%であったのに対し,F2以下の肝線維化非進展例では,5年の累積肝発癌率が3%と有意に肝線維化進展例において累積肝発癌率が高かった.【結論】F3以上の肝線維化進展例では,SVR後も肝線維化非進展例と比較し有意に肝発癌率が高かった.肝線維化F3以上の症例においては,SVR後も肝癌診療ガイドラインに則した肝癌のサーベイランスが必要であると考えられた. |
索引用語 |