セッション情報 | 口演肝癌7 |
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タイトル | O-182:進行肝細胞癌に対する動注化学療法の早期効果判定 |
演者 | 大山 賢治(鳥取大学医学部附属病院がんセンター) |
共同演者 | 孝田 雅彦(鳥取大学医学部機能病態内科学), 村脇 義和(鳥取大学医学部機能病態内科学), 三好 謙一(鳥取大学医学部機能病態内科学), 木科 学(鳥取大学医学部機能病態内科学), 加藤 順(鳥取大学医学部機能病態内科学), 藤瀬 幸(鳥取大学医学部機能病態内科学), 徳永 志保(鳥取大学医学部機能病態内科学), 植木 賢(鳥取大学医学部機能病態内科学), 岡本 欣也(鳥取大学医学部機能病態内科学), 法正 恵子(鳥取大学医学部機能病態内科学), 岡野 淳一(鳥取大学医学部機能病態内科学), 前田 直人(鳥取大学医学部機能病態内科学) |
抄録 | 【目的】進行肝細胞癌に対する動注化学療法の効果を早期に予測する方法はこれまで確立されていない.今回,4剤(CDDP,5-FU,MMC,Epirubicin)のone shot動注後早期における腫瘍マーカー(AFP,PIVKA-II)の変化により,治療効果の予測ができるか検討した. 【方法】当院で2004年から2011年に肝切除術,TAE,局所療法の対象とならなかった高度進行肝細胞癌のうち,4剤(CDDP 25mg,5-FU 500mg,MMC 6mg,Epirubicin 30mg)を用いて動注化学療法を施行した86症例を対象とした.動注6ヶ月後の治療効果判定結果に対し,one shot動注1週後,1ヶ月後のAFPとPIVKA-IIの変化率(動注前値に対する変化割合)をretrospectiveに解析した. 【結果】動注6ヶ月後の治療効果判定の内訳は,CR5例(6%),PR11例(13%),SD17例(20%),PD53例(62%)であった.動注1週後のAFP変化率は,CR 0.67,PR 0.93,SD 1.04,PD 1.17とCRではPDと比較し低下傾向(p=0.08),1ヶ月後にはCR 0.18,PR 0.67,SD 0.93,PD 1.72と,CRはPDと比較して低下(p<0.05)していた.PIVKA-IIの1週後変化率はCR 0.45,PR 1.16,SD 0.95,PD 1.31とCRはPDと比較し低下傾向(p=0.08),1ヶ月後でもCR 0.15,PR 0.76,SD 0.83,PD 1.91とCRはPDと比較し低下傾向(p=0.07)であった.1週AFP変化率で0.705をcut off値とするとCR症例の感度75%,特異度87.5%,1ヶ月AFP変化率では0.46のcut off値で感度100%,特異度89.4%となった.一方,1週PIVKA-II変化率は0.553をcut off値とすると,感度80%,特異度80.6%であった. 【結論】4剤one shot動注後の治療効果予測に,1ヶ月後のAFP測定は有用と考えられた.さらに,1週後のAFP,PIVKA-II測定もある程度有用であり,CR症例の囲い込みに役立つと考えられた. |
索引用語 |