セッション情報 | 口演肝癌7 |
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タイトル | O-184:肝癌診療における新たな分子マーカー |
演者 | 安井 豊(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科), 工藤 篤(東京医科歯科大学肝胆膵・総合外科), 松田 秀哉(武蔵野赤十字病院消化器科), 中田 徹(武蔵野赤十字病院消化器科), 村岡 優(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 雄一朗(武蔵野赤十字病院消化器科), 玉城 信治(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 祥子(武蔵野赤十字病院消化器科), 細川 貴範(武蔵野赤十字病院消化器科), 西村 貴士(武蔵野赤十字病院消化器科), 上田 研(武蔵野赤十字病院消化器科), 中西 裕之(武蔵野赤十字病院消化器科), 板倉 潤(武蔵野赤十字病院消化器科), 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【目的】今回我々は肝癌診療における新規分子マーカーとして,進行肝癌ソラフェニブ治療後のplasma vascular endothelial growth factor(VEGF)および,肝癌局所治療後の非癌部背景肝組織肝細胞表面マーカーであるOrganic anion transporter(OAT)2を検討した.【方法】検討1.当院にて2009年以降ソラフェニブ治療を施行した108例の臨床経過・画像検査およびplasma VEGFの推移と予後を検討した. 検討2.2005年から2010年までに初発肝癌に対してRFAを施行し,非癌部背景肝組織が得られた20例を対象とした.生検検体は特殊抗体にてOAT2免疫染色を行い,発現低下群と発現正常群とを比較検討した.【成績】検討1.ソラフェニブ投与例の平均年齢70歳,男性/女性 84/24,HCV陽性/HBV陽性/非B非C 63/13/32で,全体のMSTは426日,TTPは136日であった.plasma VEGF濃度は投与開始4週後に85.7%が投与前と比較し上昇するも,8週後には82.1%が減少し,VEGF減少症例では有意に生存率が良好であった(MST442日,p=0.02).また,6ヶ月以上生存が得られた症例のうち投与期間中plasma VEGF濃度1000pg/mL以下例(n=40)は累積生存率が良好であった(MST563日,p=0.03).検討2.肝癌RFA例の平均年齢65歳,男性/女性 13/7,平均腫瘍径18.3mm,腫瘍個数 1個/2個 18/2,全例C型肝炎が背景であった.発現正常例が9例・低下例が11例であり,年齢・性別・腫瘍個数・腫瘍径・肝予備能・腫瘍マーカー・生検時の線維化進展度に有意差は認めなかった.治療後の異所再発は8例に認められ,再発例は非再発例と比しOAT2発現低下例が多かった(p=0.01).発現正常群は発現低下群に比し,有意に累積異所再発率が低かった(p=0.04).【結論】進行肝癌予後予測としてはplasma VEGFが有用であり,肝癌RFA後再発予測としては非癌部背景肝組織OAT2免疫染色が有用である. |
索引用語 |