セッション情報 口演

NAFLD

タイトル O-198:

NAFLDに対する特定保健指導の有用性

演者 志和 忠志(富士フイルム健康管理センター内科)
共同演者 川並 義也(富士フイルム健康管理センター内科), 横山 知子(富士フイルム健康管理センター内科), 後藤 享(大森赤十字病院消化器科)
抄録 【目的】これまでに我々はNAFLD患者では肝機能のみならず,生活習慣病の危険因子の値と比率や動脈硬化度が有意に高いことを報告してきた.平成20年4月よりメタボリックシンドロームへの対策として特定健診・特定保健指導が始まった.今回我々は,NAFLDを有する中高年勤労者への特定保健指導の有用性について検討した.【方法】平成22年度に腹部超音波検査と問診等でNAFLDと診断され,同年度の特定健診の判定基準により年度内に特定保健指導を受けた40歳から59歳の159例(男性150例,女性42例,平均年齢48.0±4.5歳)を対象として,翌23年度の検診結果を比較検討した.【成績】腹部超音波検査所見の比較が可能な153例のうち,26例(17.0%)で脂肪肝の所見が消失した.また,BMI,腹囲,拡張期血圧,HDLコレステロール,中性脂肪の値が有意に改善した.平成22年度に肝機能障害を有する99例ではASTが33.6±15.6mg/dLから30.5±12.3mg/dL,ALTが50.0±24.7mg/dLから44.3±22.7mg/dLへと有意に改善した.【結論】特定保健指導はNAFLD患者の17.0%で超音波検査における脂肪肝の所見を消失させ,BMI,腹囲,拡張期血圧,HDLコレステロール,中性脂肪を有意に改善し,肝機能障害を有する例の肝機能を有意に改善し,NAFLDの改善に有用であると考えられた.
索引用語