セッション情報 口演

NAFLD

タイトル O-200:

脂肪肝を有する2型糖尿病患者におけるGLP-1アナログ製剤投与の検討

演者 村居 晴洋(清恵会病院内科)
共同演者 綛田 真也(清恵会病院内科), 石井 道治(清恵会病院内科), 星本 真弘(清恵会病院内科), 北岡 治子(清恵会病院内科)
抄録 【目的】脂肪肝を有する2型糖尿病患者に対して1年以上GLP-1アナログ製剤の投与を観察できた患者の臨床的検討を行った.【方法】2型糖尿病でCTまたはエコーで脂肪肝が認められた患者(以下T2DM)に対しGLP-1アナログ製剤(以下GLP-1)投与を1年以上観察できた19例を対象とした.T2DMのGLP-1投与前と1年後のBMI,AST,ALT,γGTP,T-Cho,LDL-Cho,HDL-Cho,HDL-Cho,TG,HbA1cを比較した.【結果】T2DM19例は男性8例,女性11例で平均年齢は55.7±12.8歳であった.10例がGLP-1投与開始時に抗高脂血症薬を服用していた.GLP-1投与によりBMI 29.1±7.0 vs 27.8±5.6(p<0.05)と有意に低下がみられた.AST 30.7±27.2 vs 24.2±16.8(N,S),ALT 32.4±24.3 vs 31.6±27.4(N,S),γGTP 43.2±30.0 vs 42.4±24.8(N,S),T-Cho 205.5±26.8 vs 195.6±31.1(N,S),LDL-Cho 119.9±26.0 vs 118.4±33.2(N,S),HDL-Cho 50.4±15.9 vs 52.5±15.0(N,S),TG 231.4±170.0 vs 191.0±196.0(N,S)で,それぞれ前後で有意差は見られなかった.HbA1cは9.0±2.1 vs 7.5±1.4(p<0.05)と有意に低下がみられた.【結論】GLP-1投与によりBMI,HbA1cが有意に改善していた.脂質代謝に関して,脂肪肝患者ではGLP-1投与により高脂血症の改善が期待されたが,今回の調査では有意差はでなかった.開始時既に10例が抗高脂血症薬を投与されていたことが,影響を与えた可能性も考慮するため,症例をさらに増やして検討する必要があると考える.
索引用語