セッション情報 | 口演AIH・PBC |
---|---|
タイトル | O-201:自己免疫性肝炎治療中における血清IgG値測定の意義 |
演者 | 板倉 潤(武蔵野赤十字病院消化器科) |
共同演者 | 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科), 松田 秀哉(武蔵野赤十字病院消化器科), 村岡 優(武蔵野赤十字病院消化器科), 中田 徹(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 雄一朗(武蔵野赤十字病院消化器科), 鈴木 祥子(武蔵野赤十字病院消化器科), 西村 貴士(武蔵野赤十字病院消化器科), 玉城 信治(武蔵野赤十字病院消化器科), 安井 豊(武蔵野赤十字病院消化器科), 細川 貴範(武蔵野赤十字病院消化器科), 上田 研(武蔵野赤十字病院消化器科), 板倉 嘉恵(武蔵野赤十字病院消化器科), 中西 裕之(武蔵野赤十字病院消化器科), 土谷 薫(武蔵野赤十字病院消化器科), 泉 並木(武蔵野赤十字病院消化器科) |
抄録 | 【目的】自己免疫性肝炎(以下AIH)は,ステロイド減量中または中止後に再燃を繰り返す症例があるが,再燃を予知する指標については確立していない.今回当院経過観察中に再燃した症例で,再燃に関連する因子の有無を検討した.【方法】1995年以降当院で組織学的に確定診断したAIH症例61例で,再燃の有無,治療内容,血液検査値を検討した.【結果】29例(48%)で再燃を認めた.非再燃例との比較では,診断時の年齢,ALT値,血小板値,抗核抗体,血清IgG値に有意差は認めなかった.再燃例の59%は2回以上再燃を繰り返し,最多の再燃回数は8回であった.診断から再燃まで最短2か月,最長157か月,診断後一年以内の再燃率は38%であった.再燃時の一日ステロイド投与量10mg/day以上は2例のみ,24例は5mg/day以下であった.再燃を繰り返す症例で,再燃時のステロイド投与量が初回,2回目とも同量であったのは41%,2回目の方が初回よりステロイド量が少量だったのは18%に過ぎなかった.2回目再燃時のステロイド投与量が初回再燃時よりも多かった症例は41%を占め,単純にステロイド投与量のみでは再燃の予測が困難であった.再燃前後6か月の血液検査値の推移の検討では,再燃時はALT値だけでなく血清IgG値も高値で(観察開始時からの上昇率21±19%),ALT値,IgG値いずれも推移を確認できた18例27ケースのうち70%でALT値に2か月以上先行して血清IgG値が上昇した.再燃前3か月間のIgG上昇率は月平均2-6%であった.【結論】AIHは再燃例が半数近くあり,多くはステロイド減量中,特にステロイドが10mg/day以下が多かった.再燃の指標としてALT値に先行して血清IgG値が上昇する傾向があり,再燃を予知するマーカーとして,またステロイド減量中の効果判定のマーカーとして血清IgG値が指標になる可能性が示唆された. |
索引用語 |