セッション情報 | 口演肝炎 他 |
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タイトル | O-207:慢性C型肝炎患者における肝線維化進展とインスリン関連指数の関係 |
演者 | 相原 洋祐(奈良県立医科大学第3内科) |
共同演者 | 吉治 仁志(奈良県立医科大学第3内科), 野口 隆一(奈良県立医科大学第3内科), 浪崎 正(奈良県立医科大学第3内科), 守屋 圭(奈良県立医科大学第3内科), 堂原 彰敏(奈良県立医科大学第3内科), 山尾 純一(奈良県立医科大学第3内科), 藤本 正男(奈良県立医科大学第3内科), 美登路 昭(奈良県立医科大学第3内科), 豊原 眞久(奈良県立医科大学第3内科), 吉田 太之(奈良県立医科大学第3内科), 沢井 正佳(奈良県立医科大学第3内科), 森岡 千恵(奈良県立医科大学第3内科), 植村 正人(奈良県立医科大学第3内科), 福井 博(奈良県立医科大学第3内科) |
抄録 | 【目的】慢性C型肝炎(CHC)患者において耐糖能障害を有すると肝線維化が早く進行することが報告されている.我々はこれまで基礎的検討においてインスリン抵抗性(IR)が肝線維化を促進することおよびCHC患者で糖尿病(DM)に至る前の境界型(IGT:impaired glucose tolerance)の段階で血清肝線維化マーカーが上昇していることを報告してきた.今回は75gOGTTによる耐糖能障害分類に加え,IRの指標であるhomeostasis model assessment ratio(HOMA-R),インスリン早期分泌指標であるinsulinogenic index(I-I),およびインスリン分泌能を表すインスリン曲線下面積(I-AUC)など各種インスリン関連指数を測定し,肝線維化との関係について検討した.【方法】CHC 94例(男性/女性:44/50,平均年齢58歳)に肝生検および75gOGTTを施行した.耐糖能は75gOGTTによりnormal glucose tolerance(NGT),IGT,DMに分類すると共に各群の血清線維化マーカーについて比較検討した.さらに,I-I,HOMA-R,I-AUCと線維化進展との関係についても解析を加えた.【結果】75gOGTTによる分類ではNGT 59例,IGT26例,DM 9例で,C,Cの37.2%に耐糖能異常,27%にIGTを認めた.CHCに伴う耐糖能障害の70%がIGTで,線維化進展度はF1/F2/F3がそれぞれ52/22/20%を占めた.血清線維化マーカーはIGT群ではNGT群に比べて高値を示す傾向あり,血清7Sコラーゲン値はIGT群で有意に高かった.インスリン関連指数は,I-IおよびI-AUCは肝線維化と有意な関連を認めなかったが,HOMA-Rは線維化進展とともに増加する傾向にあり,F1群とF3群で有意差を認めた.【結論】CHCにおいてDMに至る前のIGTの段階で肝線維化が潜在的に進行している可能性が示唆された.早期インスリン分泌能ではなく長期間の高インスリン暴露によるIRが肝線維化進展に重要な役割を果たしている可能性があると考えられた. |
索引用語 |