セッション情報 | 口演肝炎 他 |
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タイトル | O-208:オステオアクチビンは慢性肝疾患の進展マーカーとして有用である |
演者 | 椨 一晃(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 井戸 章雄(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 熊谷 公太郎(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 大野 香織(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 豊倉 恵理子(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 大重 彰彦(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 小田 耕平(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 今中 大(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 馬渡 誠一(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 玉井 努(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 森内 昭博(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 宇都 浩文(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 桶谷 眞(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【目的】オステオアクチビン(OA)はマクロファージや抗原提示細胞に発現し,炎症のフィードバック調節因子として作用している.我々は障害肝の修復期に壊死巣周囲に集簇するOA発現マクロファージがその再生・修復に重要な役割を果たしていることを見出した(Kumagai K, et al.投稿中).今回我々は,良性肝疾患(BLD)例における血清OA濃度を測定し,慢性肝疾患の進展過程における意義と肝発癌との関連について検討した.【方法】2006年12月~2010年12月まで当院を受診したBLD患者のうち,同意が得られた102例を対象とした.血清OA濃度をELIZAで測定し,臨床データと比較解析した.また2012年8月時点の肝発癌の有無を確認し,多変量解析を用いて肝発癌に寄与する因子を検討した.【結果】男性40例,年齢(中央値)57歳.成因はB型24例,C型55例,非B非C23例で,肝硬変は18例であった.血清OA値(中央値,ng/mL)は肝硬変(非肝硬変7.25 vs.肝硬変10.93,p=0.0348),血小板10万以下(10万以下9.39 vs. 10万超7.09,p=0.0149),肝予備能不良(Child-Pugh A 7.11 vs. BまたはC 12.51,p=0.0125)およびAFP 20 ng/mL超(20超13.05 vs. 20以下7.24,p=0.0021)の症例で有意に高値であり,AFP値と正の相関を認めた(p<0.0001).年齢,性別,成因,ALT値と血清OA値に有意な関連性はなかった.経過中の肝発癌症例は102例中8例(7.8%)で,多変量解析にて高感度AFP-L3%(Odds比1.98,95%CI 1.07-3.64,p=0.0291)が肝発癌に寄与する有意な因子として抽出され,AFP低値例(20 ng/mL以下)の検討でも同様であった.【結論】血清OA値は慢性肝疾患の進展に伴って上昇した.OAは障害肝の修復期のマクロファージに強く発現されることから,血清OA値の上昇は持続する炎症と障害肝の再生・修復を反映していることが推測された. |
索引用語 |