セッション情報 | 口演肝 基礎4 |
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タイトル | O-218:マウスCon A急性肝不全モデルでの病因性CCR9+マクロファージの発見からヒト急性肝不全へのトランスレーション |
演者 | 中本 伸宏(慶應義塾大学医学部消化器内科) |
共同演者 | 海老沼 浩利(慶應義塾大学医学部消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大学医学部消化器内科), 柏松(慶應義塾大学医学部消化器内科), 碓井 真吾(慶應義塾大学医学部消化器内科), 若山 遊子(慶應義塾大学医学部消化器内科), 三上 洋平(慶應義塾大学医学部消化器内科), 齋藤 英胤(慶應義塾大学薬学部薬物治療学), 日比 紀文(慶應義塾大学医学部消化器内科) |
抄録 | 【目的】ヒト劇症肝炎はいまだ死亡率の高い疾患であるが,症例数が少なく,肝臓組織の採取も困難である.したがって,適切な複数のモデル動物における病態解明を基盤としたヒトでの検証,応用が急務といえる.【方法】C57BL/6マウスを用い,Concanavalin A(Con A)静脈内投与により急性肝障害を惹起しPBS群と比較検討した.単核球を分離後CD11b+CD11c-macrophage,CD11b-CD11clow plasmacytoid DC(pDC)の形態,頻度,表現型,サイトカイン産生能を検討した.さらにmacrophage,pDC各分画をFACS Ariaで分離後,DO.11.10×RAG-2-/-マウス由来CD4+naive T細胞とOVA抗原刺激下で共培養し,CD4 T細胞の増殖(CFSE),Th1,Th17細胞の誘導,Foxp3+制御性T細胞の誘導により抗原提示能を評価した.さらに,α-GalCer,四塩化炭素,抗Fas抗体投与モデルでの検証とヒト急性肝不全患者での検討を行った.【結果】Con A投与後pDCのCCR9発現が低下する一方で,CCR9+macrophageが肝CCL25の発現上昇に伴い肝内に出現した.CCR9+macrophageの増加は肝臓特異的な現象であり,骨髄,小腸,大腸,脾臓などの他臓器ではその変化は軽微であった.同細胞はCD80,CD86などの補助刺激分子の発現,LPS刺激下のTNF-α産生能,naive CD4 T細胞の増殖能,Th1(IFN-γ産生)細胞の誘導能を有していた.CCR9+macrophageの出現は,Con Aモデルに限らず,α-GalCer,四塩化炭素,抗Fas抗体投与急性肝障害モデルでも確認された.さらに,ヒト急性発症肝不全患者の検討においても末梢血中のTNF-α産生CCR9+CD16+monocyteが慢性肝炎群,健常群と比較し有意に増加しており,CCR9が急性肝障害の病態形成に深く関与している可能性が示唆された.【結語】以上,一連の疾患モデルでの検証とヒト疾患での再現性を確認し,CCR9/CCL25阻害系の臨床応用への可能性が示唆された. |
索引用語 |