セッション情報 口演

胃 ESD 1

タイトル O-222:

未分化型早期胃癌のESDにおける非治癒切除因子の検討

演者 村上 佳世(手稲渓仁会病院消化器病センター)
共同演者 田沼 徳真(手稲渓仁会病院消化器病センター), 三井 慎也(手稲渓仁会病院消化器病センター), 野村 昌史(手稲渓仁会病院消化器病センター), 浦出 伸治(手稲渓仁会病院消化器病センター), 奥宮 雅代(手稲渓仁会病院消化器病センター), 永井 一正(手稲渓仁会病院消化器病センター), 田中 一成(手稲渓仁会病院消化器病センター), 松波 幸寿(手稲渓仁会病院消化器病センター), 真口 宏介(手稲渓仁会病院消化器病センター)
抄録 【背景】2010年10月に改訂された胃癌治療ガイドラインでは,2cm以下・UL(-)・脈管侵襲陰性のT1a未分化型癌へのESD適応拡大の可能性が示されている.【目的】ESDを施行した未分化型癌の治療成績,特に非治癒切除因子について検討する.【対象と方法】2004年5月から2012年6月までにESDを施行し,未分化型癌と病理診断した43例43病変(38~89歳,男女比26:17)を対象とした.未分化型癌18病変をA群,未分化型優位混在癌7病変をB群,分化型優位混在癌18病変をC群とし,各群において1)腫瘍径,2)肉眼型,3)術前組織診断,4)壁深達度,5)一括切除率,6)一括完全切除率,7)治癒切除率,8)非治癒切除因子,9)追加外科切除所見を検討した.未分化型癌が2cm以下・T1a・UL(-)・脈管侵襲陰性・断端陰性の場合に治癒切除と判断した.【結果】1)腫瘍径(mm):A 5-50(中央値17),B 11-62(中央値28),C 10-85(中央値20).2)肉眼型(陥凹型/隆起型):A 18/0,B 2/5,C 9/9.3)術前組織診断(未分化型癌/分化型癌/混在癌/癌疑い):A 13/2/0/3,B 1/5/1/0,C 0/17/1/0.4)壁深達度(M/SM/MP以深):A 12/6/0,B 1/5/1,C 6/12/0.5)一括切除率:A 94%(17/18),B 86%(6/7),C 83%(15/18).6)一括完全切除率:A 88%(16/18),B 57%(4/7),C 72%(13/18).7)治癒切除率:A 39%(7/18),B 14%(1/7),C 6%(1/18).8)非治癒切除:A11,B6,C17.非治癒切除因子(壁深達度SM以深/脈管侵襲陽性/断端陽性):A 6/1/2,B 6/2/4,C 12/9/5.9)追加外科切除を20例(A4,B5,C11)に施行し,局所遺残を4例(A1,B1,C2),リンパ節転移を2例(B1,C1)に認めた.【まとめ】3群のいずれにおいても治癒切除率が低く,特にB群・C群において顕著であった.非治癒切除の主因は壁深達度SM以深であり,術前深達度診断の精度向上が今後の課題と考えられた.混在癌のほとんどは術前に分化型癌と診断されており,未分化型癌混在の術前診断は現時点では困難と思われた.
索引用語