セッション情報 | 口演胃 ESD 3 |
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タイトル | O-232:高齢者早期胃癌に対するESDの現状と対策 |
演者 | 竹中 龍太(津山中央病院消化器・内視鏡センター) |
共同演者 | 岡 昌平(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 野島 一郎(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 岡崎 倫子(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 濱田 健太(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 馬場 雄己(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 赤穂 宗一郎(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 山崎 泰史(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 朝戸 俊行(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 河合 大介(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 高山 裕基(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 竹本 浩二(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 平良 明彦(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 柘野 浩史(津山中央病院消化器・内視鏡センター), 藤木 茂篤(津山中央病院消化器・内視鏡センター) |
抄録 | 【目的】早期胃癌に対するESDは広く普及しており,高齢者でも低侵襲がゆえに積極的に施行されている.高齢者では耐術能が低下していることもあり,偶発症が発生した場合は重篤化することも危惧される.高齢早期胃癌患者に対するESDの特性を明らかにし,今後の対策について検討することを目的とした.【方法】2002年1月から2012年6月までに当院でESDの施行された早期胃癌771例のうち,75歳以上の347例を高齢者群,75歳未満の424例を非高齢者群とした.検討項目は1)一括切除率,治癒切除率,2)偶発症(後出血,穿孔,肺炎)とし,それぞれ高齢者群と非高齢者群とを比較した.また高齢者群での3)偶発症に関与する因子,4)長期予後について検討した.【結果】1)一括切除率は97.7%,治癒切除率は74.1%で,非高齢者群(一括切除97.4%,治癒切除73.8%)と差はなかった.2)高齢者群では後出血を12例(3.5%),非高齢者では22例(5.2%)に認めた.10日以上経過してからの後出血を4例に認めたが,全例高齢者群であった.穿孔は高齢者群10例(2.9%),非高齢者群9例(2.1%)に認めたが,全例保存的に軽快した.肺炎は高齢者群で8例(2.3%),非高齢者群で6例(1.4%)にみられたが,有意差はなかった.3)多変量解析の結果,後出血には治療時間が,穿孔には腫瘍径が関連因子として抽出された.4)非治癒切除90例のうち外科切除が追加されたのは19例であった.非治癒切除で手術を施行しなかった1例に原病死を認めた.他病死は治癒切除32例,非治癒切除17例に認めた.5年生存率は治癒切除群で79.7%,非治癒切除手術群で83.0%,非治癒切除非手術群で56.9%であった.【結論】75歳以上の後期高齢者早期胃癌に対するESDでは腫瘍径が大きく,また処置が長時間にわたる場合に偶発症をきたしやすかった.非治癒切除となっても追加外科手術を施行しえた症例の予後は良好であった. |
索引用語 |