セッション情報 口演

GIST

タイトル O-234:

2cm以下の小さいGISTの臨床病理学的特徴とその取扱いについて

演者 片岡 幹統(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科)
共同演者 河合 隆(東京医科大学病院内視鏡センター), 竹内 啓人(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 植松 淳一(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 池宮城 秀和(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 藤井 崇(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 田中 啓(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 青木 貴哉(東京医科大学病院消化器内科), 羽山 弥毅(東京医科大学病院消化器内科), 山本 圭(東京医科大学病院消化器内科), 野中 雅也(東京医科大学病院消化器内科), 八木 健二(東京医科大学病院消化器内科), 福澤 誠克(東京医科大学病院消化器内科), 福澤 麻理(東京医科大学病院内視鏡センター), 山田 幸太(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 鈴木 伸治(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 堀部 俊哉(国際医療福祉大学三田病院外科・消化器センター消化器内科), 森安 史典(東京医科大学病院消化器内科)
抄録 【背景・目的】我々は胃粘膜下腫瘍(submucosal tumor;SMT)の病理組織診断において内視鏡的粘膜切開生検の有用性を報告してきた.GISTは外科的切除が必要とされる疾患であるが,実際に臨床の場で遭遇する2cm以下の胃SMTは組織診断されずに経過観察となることも多い.今回,粘膜切開生検によりGISTと診断した2cm以下の胃SMTについて臨床病理学的特徴とその取扱いについて検討した.【対象と方法】国際医療福祉大学三田病院及び東京医科大学病院にて,内視鏡的粘膜切開生検を施行した22例の胃SMTのうちGISTと診断した15例を対象とした.腫瘍径2cm以下をA群,2cm超をB群とし,腫瘍径,占拠部位(L,M,U),組織学的悪性度(核分裂数),偶発症,また外科的切除症例において粘膜切開生検と摘除標本の病理組織診断と免疫染色,組織学的悪性度を比較検討した.【成績】A群10例(平均年齢58.9±13.5歳,男女比6:4),B群5例(平均年齢68.2±10.9歳,男女比4:1),平均腫瘍径(mm)17.4±3.4(10-20):31.0±5.4(25-40),占拠部位L 4例:0例,M 2例:2例,U 4例:3例,組織学的悪性度はA群:超低リスク10例,B群:低リスク5例.偶発症はA群,B群共になかった.外科的切除は13例(A群9例,B群4例)施行され,摘除標本の病理組織診断と免疫染色は粘膜切開生検と全て一致し,組織学的悪性度もB群の1例を除く12例(92.3%)で一致した.【結論】2cm以下のGISTは全て超低リスクであり,経過観察も許容される可能性が示唆された.一方,2cm超のGISTは平均年齢も高く,摘除標本で1例中間リスクを認めたことからも,時間の経過とともに増大し組織学的悪性度も変化する可能性を考慮し,外科的切除を推奨すべきと考えられた.
索引用語