セッション情報 口演

GIST

タイトル O-235:

当院におけるGIST診断の現状

演者 吉田 祐一(苫小牧市立病院消化器内科)
共同演者 江藤 和範(苫小牧市立病院消化器内科), 武藤 修一(苫小牧市立病院消化器内科), 小西 康平(苫小牧市立病院消化器内科), 宮本 秀一(苫小牧市立病院消化器内科)
抄録 【目的】当院におけるGIST 22例における治療前診断方法を後ろ向きに解析した.【方法】2004年4月から2012年7月までの間に組織学的確定診断のついたGIST 22例を対象とした.検討項目は1)治療前組織診断の施行の有無,2)診断方法,3)診断率,4)切除標本におけるリスク分類との一致率の4項目とした.【結果】患者背景は,平均年齢 70歳(55-82),男女比11:11,腫瘍の部位は胃16:小腸3:腹膜3,平均腫瘍径は72.2mm(5-200mm),うち外科的治療を行ったのは19例であった.1)治療前組織診断は15例で施行されていたが7例では組織検査は施行されていなかった.2)内視鏡的直視下生検6例,EUS-FNA 8例,腹部超音波ガイド下生検1例であり,近年では超音波内視鏡下穿刺吸引生検(EUS-FNA)が主流となっていた.3)直視下生検での正診率は50%,EUS-FNA+腹部超音波ガイド下生検での正診新率は78%であり,治療開始前生検としてはEUS-FNAが有用である可能性が示された.4)生検検体におけるリスク分類(Fletcher分類)は超低1,低2,中1,高6.非切除例3例を除いた10例における術後リスク分類(Fletcher分類)は不明1,超低0,低3,中0,高3であり,高リスク群の推定には有用であった.内視鏡直視下生検では核分裂像やMIB-1 index評価が難しい傾向がみられた.【結語】GISTにおける直視下生検は簡便であるが診断率が低いことから,リスク分類の推定も可能であるEUS-FNAが望ましいと考えられた.
索引用語