セッション情報 口演

GIST

タイトル O-236:

小腸GIST9例の検討

演者 金藤 光博(岡山済生会総合病院内科)
共同演者 吉岡 正雄(岡山済生会総合病院内科), 塩出 純二(岡山済生会総合病院内科), 足立 卓哉(岡山済生会総合病院内科), 下村 泰之(岡山済生会総合病院内科), 關 杏奈(岡山済生会総合病院内科), 後藤田 達洋(岡山済生会総合病院内科), 齋藤 玄哲(岡山済生会総合病院内科), 山本 久美子(岡山済生会総合病院内科), 藤井 雅邦(岡山済生会総合病院内科), 伊藤 守(岡山済生会総合病院内科), 石山 修平(岡山済生会総合病院内科), 藤原 明子(岡山済生会総合病院内科), 糸島 達也(岡山済生会総合病院内科)
抄録 【目的】当院の小腸GISTの症例においてリスク分類の妥当性とイマニチブの治療効果に対して検討する.【方法】当院にて2006年1月から2012年8月に経験した小腸GIST9例を対象とした.治療の内訳としては,全例手術されており,そのうち4例がイマニチブ投与となった.検討項目は全生存期間(OS),無再発生存期間(RFS)とした.【結果】男5例,女4例で,年齢は55-83歳(平均67.8歳)であった.観察期間は2-78か月(平均42.4か月)であった.腫瘍径は4-15cm(中央値7cm),Fletcherリスク分類では低リスク2例,中間リスク4例,高リスク3例であった.高リスク1例は肝転移を認めていた.高リスク3例と中間リスクではあるが腫瘍破裂を認め,clinically malignant GISTである1例にイマニチブを投与した.9例中8例は生存中であるが,1例は原病死となった.OS中央値は34.3か月,RFS中央値は25か月であった.中間リスクと低リスクで腫瘍破裂を認めなかった5例はイマニチブ未投与だが,1例も再発を認めていない(観察期間17-78か月).一方高リスク及び腫瘍破裂を認めた中間リスクの1例含めた計4例は全例イマニチブ投与となった.高リスク3例の内,肝転移を認めた1例はイマニチブ投与による間質性肺炎にて中止となり,スニチニブを投与したが,イマニチブ投与開始後から55か月後に原病死した.高リスクのもう1例は術後イマニチブ投与されておらず,術後17か月後に腹膜播種による再発を認め,投与開始となった.現在投与後12か月経過しているが,増悪は認めていない.他の2例は無増悪生存中である(イマニチブ投与開始後の観察期間2か月,36か月).【結語】当院で経験した小腸GISTの症例においてリスク分類は妥当であり,高リスクの症例へのイマニチブ投与は有効であった.
索引用語