セッション情報 口演

NET 他

タイトル O-237:

十二指腸神経内分泌腫瘍(G1)に対する治療方針

演者 名和田 義高(日本海総合病院治療内視鏡科)
共同演者 本間 清明(日本海総合病院治療内視鏡科), 大滝 雄造(日本海総合病院治療内視鏡科), 池田 千咲(日本海総合病院消化器科), 菅原 心平(日本海総合病院消化器科), 早坂 高志(日本海総合病院消化器科), 折居 智彦(日本海総合病院消化器科), 吉田 尚美(日本海総合病院消化器科), 青木 政則(日本海総合病院消化器科), 鈴木 義弘(日本海総合病院消化器科), 今泉 和臣(日本海総合病院消化器科)
抄録 【はじめに】十二指腸神経内分泌腫瘍(以下NET)G1の明確な治療方針は確立されていないが,術前の画像診断で明らかなリンパ節・遠隔転移のない腫瘍径10mm以下の病変に関しては内視鏡治療が選択されることも少なくない.今回,当院で経験した明らかな転移のない同腫瘍9例の治療方法と成績について検討した.【対象と方法】平均患者年齢67歳(最小値-最大値48-79),性別は男性8例,女性1例,部位は球部8例,下降脚1例,平均病変径7.1mm(3-12).術前生検診断は全例NET G1で,第1選択された治療方法はESD 6例,幽門側胃切除2例,局所切除1例であった.【結果】術後の病理組織は全例でNET G1であった.外科切除を施行した3例はいずれもリンパ節転移は認めず,深達度mp 1例,sm 2例であった.ESDを施行した6例のうち,5例はいわゆるハイブリッドESDで一括切除し水平・深部断端(-)であった.1例は粘膜下層と筋層が密着し筋層組織の一部も剥離して切除したが,深部断端陽性であったため追加外科切除を施行,腫瘍の遺残は認めなかった.全例において1ヶ月-9年の経過観察で明らかな再発所見は認めていない.【考察】明らかな転移所見のない腫瘍径10mm以下の十二指腸NET G1に関しては内視鏡治療を第1選択とする考えも報告されているが,安全な内視鏡治療と評価できる病理標本を得るためにはEUSの所見が重要と考えた.第3層が明瞭に描出された5例はESDで切除し完全切除が得られた一方,明瞭に描出されなかった4例は,1例がESDを選択し深部断端陽性で追加外科治療を行った.第3層の明瞭な描出の有無が治療方針の決定に重要であると考えた.
索引用語