セッション情報 口演

NET 他

タイトル O-240:

消化管癌患者におけるBest Supportive Care判断時のGlasgow Prognostic Scoreによる予後予測の検討

演者 菅谷 明徳(筑波大学消化器内科学)
共同演者 森脇 俊和(筑波大学消化器内科学), 浜野 由花子(筑波大学消化器内科学), 今西 真実子(筑波大学消化器内科学), 小林 真理子(筑波大学消化器内科学), 小林 克誠(筑波大学消化器内科学), 圷 大輔(筑波大学消化器内科学), 越智 大介(筑波大学消化器内科学), 石毛 和紀(筑波大学消化器内科学), 奈良坂 俊明(筑波大学消化器内科学), 遠藤 慎治(筑波大学消化器内科学), 鈴木 英雄(筑波大学消化器内科学), 福田 邦明(筑波大学消化器内科学), 金子 剛(筑波大学消化器内科学), 松井 裕史(筑波大学消化器内科学), 安部井 誠人(筑波大学消化器内科学), 溝上 裕士(筑波大学消化器内科学), 兵頭 一之介(筑波大学消化器内科学)
抄録 【背景】全身炎症を評価するGlasgow Prognostic Score(GPS)は周術期や化学療法前の有用な予後予測スコアとして報告されているが,Best Supportive Care(BSC)判断時の報告は少ない.【目的】GPSがBSCと判断された消化管癌患者の予後予測に有用なスコアかどうかを明らかにする.【方法】2009年7月以降のBSCと判断された消化管癌患者のうち,死亡が確認されている症例を対象.BSC判断時点のGPS(Alb≧3.5mg/dlとCRP≦1.0mg/dlの組み合わせで0/1/2に分類,0が予後良好),年齢,性別,原発巣,KPS,WBC数,リンパ球を調査.生存期間(OS)との相関分析にSpearmanの相関係数,OSにKaplan-Meier法,他の背景因子との多変量解析にCox比例ハザードモデルを用いハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を算出.有意差検定はlog-rank.【結果】対象は105例.GPS 0/1/2:11/26/68例.年齢中央値(範囲):64歳(35-81),男性/女性:70/35例,食道/胃/大腸:20/41/44例,KPS≧50/≦40:59/46例,白血球数>11000/8501~11000/≦8500:29/17/59例,リンパ球<11.9%/12~19.9%/≧20%:45/32/28例.全体のOS中央値(95%CI):43日(31-55),30日生存率:64%.GPS 0/1/2のOS中央値(95%CI):109(33-184)日/55(24-86)日/31(18-44)日(P<0.001).GPSはOSと負の相関を認めた(r=-0.420,P<0.001).多変量解析では,GPS(HR=0.63,95%CI=0.44-0.90,P=0.012),年齢70歳未満(HR=1.57,95%CI=1.02-2.43,P0.042),KPS50以上(HR=0.46,95%CI=0.28-0.73,P=0.001),WBC数(HR=1.45,95%CI=1.01-2.08,P=0.047)が独立した予後予測因子.【結論】消化管癌のBSC判断時のGPSは予後予測スコアとして有用である.その他,年齢,KPS,WBC数を考慮する必要がある.
索引用語