セッション情報 | 口演高齢者 他 |
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タイトル | O-242:高齢者消化吸収障害,低栄養の現状とその対策 |
演者 | 河越 尚幸(東邦大学総合診療・救急医学講座) |
共同演者 | 吉峰 尚幸(東邦大学総合診療・救急医学講座), 後藤 麻佑(東邦大学総合診療・救急医学講座), 天沼 誠(東邦大学総合診療・救急医学講座), 稲葉 崇(東邦大学総合診療・救急医学講座), 稲葉 正子(東邦大学総合診療・救急医学講座), 竹本 育聖(東邦大学総合診療・救急医学講座), 貴島 祥(東邦大学総合診療・救急医学講座), 城戸 秀倫(東邦大学総合診療・救急医学講座), 前田 正(東邦大学総合診療・救急医学講座), 渡辺 利泰(東邦大学総合診療・救急医学講座), 宮崎 泰斗(東邦大学総合診療・救急医学講座), 菅澤 康幸(東邦大学総合診療・救急医学講座), 竹山 照明(東邦大学総合診療・救急医学講座), 本田 善子(東邦大学総合診療・救急医学講座), 中西 員茂(東邦大学総合診療・救急医学講座), 島田 長人(東邦大学総合診療・救急医学講座), 瓜田 純久(東邦大学総合診療・救急医学講座), 中嶋 均(東邦大学総合診療・救急医学講座), 杉本 元信(東邦大学総合診療・救急医学講座) |
抄録 | 【背景】高齢者においては摂取量不足に加え,消化機能低下により摂取した食物が十分に吸収されないことが多く,低栄養となりやすい.今回,高齢者を診療する機会が多い総合診療科において,亜鉛製剤,消化酵素製剤の有用性について検討したので報告する.【方法】東邦大学総合診療・救急医学講座において低栄養・体重減少の治療目的で消化酵素大量補充療法and/or亜鉛製剤投与を行った65歳以上の高齢者16例.平均77.8歳(65-88),男女比は11:5であった.消化酵素剤単独,亜鉛製剤単独各4例,両者併用8例であった.悪性疾患,慢性炎症性疾患,膠原病を背景に有する症例は除外した.治療開始前,1ヶ月,3ヶ月後に血液検査を行い,血清総蛋白,アルブミン,総コレステロール,Hbの変化を検討した.【結果】血清アルブミンが1ヶ月後,3ヶ月後に有意に上昇した(Wilcoxon符号付順位検定,順にp=0.03,p=0.047).血清総蛋白,コレステロールも上昇傾向を示した.ヘモグロビンは有意な変化はなかった.【結論】高齢者は複数の疾患を保有し,他の検査のため消化吸収障害の診断が遅れ,全身状態を悪化させる場合もある.絶食が必要な病態から回復し,食事を再開した場合でも,栄養改善が極めて遅い例が少なくない.高齢者,とくに異化亢進する基礎疾患を有する場合には亜鉛製剤投与のメリットが大きいと思われる.膵疾患を有していない場合でも,栄養管理の目的で消化酵素剤が有用な場合が多く,今後さらに検討したいと考えている. |
索引用語 |