セッション情報 口演

高齢者 他

タイトル O-244:

当院人間ドックにおいて認められた肥満・腹部肥満と消化器疾患との関係

演者 守屋 昭男(三豊総合病院内科)
共同演者 岩崎 良章(岡山大学保健管理センター), 木口 賀之(三豊総合病院内科), 榮 浩行(三豊総合病院内科), 吉田 泰成(三豊総合病院内科), 安原 ひさ恵(三豊総合病院内科), 遠藤 日登美(三豊総合病院内科), 神野 秀基(三豊総合病院内科), 加地 英輔(三豊総合病院内科), 幡 英典(三豊総合病院内科), 今川 敦(三豊総合病院内科), 中津 守人(三豊総合病院内科), 安東 正晴(三豊総合病院内科)
抄録 【目的】BMIによる肥満の定義や腹囲によるメタボリックシンドロームの診断基準は,主に循環器領域の疾患との関係において定められたものである.近年では肥満と消化器疾患の関係が知られるようになってきており,消化器疾患改善のためのBMI・腹囲の目標値については検討を要する.【方法】2011年に当院人間ドックにて上部消化管内視鏡検査と腹部超音波検査の両方を受けた1549名(男性941名,女性608名,年齢中央値54歳)を対象とした.検査で認められた各消化器疾患とBMI・腹囲との関係を解析し,有意な正の相関を示したものについてはROC分析にてBMI・腹囲の最適なカットオフ値を求めた.【結果】男性においてはびらん性胃炎(P=0.043)・逆流性食道炎(P=0.032)・脂肪肝(P<0.001)・慢性肝障害(P<0.001)・脾腫(P<0.001)がBMIと,逆流性食道炎(P=0.034)・脂肪肝(P<0.001)・慢性肝障害(P<0.001)・脾腫(P<0.001)が腹囲と正の相関を示した.女性においては食道裂孔ヘルニア(P<0.001)・脂肪肝(P<0.001)・脾腫(P=0.020)・胆石(P=0.043)がBMIと,食道裂孔ヘルニア(P<0.001)・脂肪肝(P<0.001)が腹囲と正の相関を示した.ROC分析では,男性におけるびらん性胃炎に対してはBMI 21.4,逆流性食道炎に対してはBMI 22.6・腹囲80.7cm,脂肪肝に対してはBMI 23.9・腹囲86.0cm,慢性肝障害に対してはBMI 24.8・腹囲86.5cm,脾腫に対してはBMI 23.7・腹囲88cm,女性における逆流性食道炎に対してはBMI 22.1・腹囲78.4cm,脂肪肝に対してはBMI 21.0・腹囲75.1cm,脾腫に対してはBMI 21.0,胆石に対してはBMI 23.5が最適なカットオフ値として求められた.【結論】肥満と関連する消化器疾患を抑制するためには,従来考えられている肥満・腹部肥満の基準と比較し,より厳密なコントロールが必要である可能性が示唆された.
索引用語