セッション情報 口演

小腸 診断

タイトル O-245:

高齢者におけるOGIB症例の臨床的特徴―バルーン内視鏡施行・経過観察症例での検討―

演者 藤田 穣(川崎医科大学消化管内科学)
共同演者 眞部 紀明(川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)), 春間 賢(川崎医科大学消化管内科学)
抄録 【背景】高齢者の原因不明の消化管出血(OGIB)症例の臨床的特徴を検討した報告は少ない.【目的】バルーン内視鏡(BAE)を施行した高齢者OGIB症例の臨床的特徴を解析する.【対象と方法】2004年7月~2012年7月に当院でBAEを施行し経過観察が可能だったOGIB症例133例を対象とした.75歳以上を後期高齢者(LE)群,65~74歳を前期高齢者(EE)群,64歳以下を非高齢者(NE)群とし,患者背景,臨床経過を比較検討した.【結果】解析結果を表1に示す.抗血小板・抗凝固薬の投与,心血管障害はLE群でNE群に比べ有意に高かった.BAE所見では,血管性病変がLE群で他群に比べ有意に高かった.また,これらの所見があるLE患者は経過不良症例がほとんどであった.【結語】LE群では,抗血小板・抗凝固薬を投与されている症例や輸血歴がある症例が多い.また,出血源として血管性病変が多く,再出血の可能性が高いことが明らかとなった.特に後期高齢者OGIB症例は非高齢者と治療戦略が異なる可能性が示唆された.
索引用語