セッション情報 |
口演
小腸 診断
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タイトル |
O-246:CT enteroclysis/enterographyの原因不明消化管出血に対する診断能と長期経過
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演者 |
柴田 大明(山口大学消化器病態内科学) |
共同演者 |
橋本 真一(山口大学消化器病態内科学), 金山 郷子(山口大学消化器病態内科学), 清水 建策(山口大学放射線科), 坂井田 功(山口大学消化器病態内科学) |
抄録 |
【目的】近年,カプセル内視鏡(CE)やバルーン内視鏡(BE)の普及により,原因不明消化管出血(OGIB)の診断・治療が可能となっている.CT enteroclysis/enterography(CTE)は,小腸を等張性緩下剤などの陰性造影剤で拡張しdynamic CTを撮影する検査法であるが,クローン病に対する有用性の報告は多いものの,OGIBに関する報告は少ない.当院では2008年よりCTEを導入しており,OGIBに対するCTEの診断能に加えて,長期経過についても検討を行った.【方法】対象は2008年4月から2012年8月までに当院にて施行したCTE 193件のうち,検査目的がOGIBで,同時期にCE,BEのどちらか,もしくは両方を施行した症例の中でCTE後6ヶ月以上の経過観察が可能であった51例とした.【結果】全体の出血源診断率は84.3%(43/51例)で,診断に有用であった検査手技はCTEが7例,CEもしくはBEが36例であった.CTEが診断に有用であった症例は,血管性病変が3例(AVM 2例,腸管周囲の血管拡張1例)で,腫瘍性病変が3例(GIST 2例,capillary hemangioma 1例),粘膜障害が1例であった.CEやBEが診断に有用であった症例は,粘膜障害が23例で,そのほとんどが潰瘍であり,血管性病変は12例で,そのうち11例がangioectasiaであった.その他,小腸憩室を1例に認めた.平均25.5ヶ月(6~52ヶ月)の経過観察中の再出血率は25.5%(13/51例)であった.再出血までの期間は平均4.4ヶ月(22日~15ヶ月)であった.再出血症例の主な内訳は,粘膜障害8例,血管性病変5例であったが,AVMや腫瘍性病変が検出された症例はなかった.【結論】CTEは出血を繰り返しやすいAVMや小腸腫瘍性病変の診断に有用であり,OGIB診療においてCE,BEにCTEを併用することにより,再出血率の低下や小腸腫瘍性病変に対する早期治療など,より確実性の高いOGIB診療が可能となると考えられた. |
索引用語 |
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