セッション情報 口演

小腸 診断

タイトル O-247:

Overt OGIB症例における造影CTとカプセル内視鏡の小腸病変に対する診断能

演者 前田 義政(和歌山県立医科大学第二内科)
共同演者 玉置 秀彦(和歌山県立医科大学第二内科), 川西 幸貴(和歌山県立医科大学第二内科), 宮本 紗江(和歌山県立医科大学第二内科), 田村 崇(和歌山県立医科大学第二内科), 仲地 健一郎(和歌山県立医科大学第二内科), 山下 泰伸(和歌山県立医科大学第二内科), 深津 和弘(和歌山県立医科大学第二内科), 糸永 昌弘(和歌山県立医科大学第二内科), 森 良幸(和歌山県立医科大学第二内科), 森畠 康策(和歌山県立医科大学第二内科), 新垣 直樹(和歌山県立医科大学第二内科), 出口 久暢(和歌山県立医科大学第二内科), 上田 和樹(和歌山県立医科大学第二内科), 井上 泉(和歌山県立医科大学第二内科), 前北 隆雄(和歌山県立医科大学第二内科), 井口 幹崇(和歌山県立医科大学第二内科), 玉井 秀幸(和歌山県立医科大学第二内科), 加藤 順(和歌山県立医科大学第二内科), 一瀬 雅夫(和歌山県立医科大学第二内科)
抄録 【背景】消化管の顕性出血において,上部・下部内視鏡で出血源がみられない場合(Overt OGIB),小腸をターゲットとした検索が行われる.その際,侵襲的なバルーン内視鏡行う前に,出血源同定のため造影CTやカプセル内視鏡(CE)などの非侵襲的検査行われるが,それらのOvert OGIBに対する診断能の詳細は不明である.【目的】Overt OGIB症例における造影CTおよびCEの小腸病変の診断能を検討する.【対象と方法】2009年1月~2012年8月までに当施設で造影CTおよびCEを行ったOvert OGIB51症例.両modalitiesの小腸病変に対する診断能を比較検討した.【結果】51例中,最終的に小腸病変の存在が確認できたのは32例であった.そのうち,造影CTで出血源の同定が可能であったものは4例(13%)(血管性病変2例,腫瘍性病変2例)であった.一方CEでは,29例(91%)において小腸出血の責任病変が確認できた(血管性病変14例,腫瘍性病変2例,その他14例,重複含む).造影CTで出血源が同定された4例は,すべてCEでも同様の病変を指摘し得た.次に,特に緊急性を要するextravasationの評価について検討したところ,extravasationの評価に重要とされる造影CT後期相が撮影された38例中,造影CTでは2例,CEでは9例の活動性出血が確認できた.造影CTで確認された2例については,2例ともCEでも血管性病変からの活動性出血として認識された.【結論】Overt OGIB症例における小腸病変検出に関して,造影CTはあまり有効でない一方,CEは良好な成績であった.Overt OGIB症例では早期にCEを行い,病変を確認し必要あればDBEなどの止血処置へつなげるべきである.
索引用語