セッション情報 口演

小腸 診断

タイトル O-248:

当院におけるカプセル内視鏡検査の現状と有用性についての検討

演者 大塚 裕之(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター)
共同演者 森島 大雅(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター), 石川 英樹(公立学校共済組合東海中央病院消化器内視鏡センター)
抄録 【目的】当院で2008年4月にカプセル内視鏡(CE)を導入して4年が経過し,使用成績について検討した.【方法】2008年4月から2012年8月までに当院でCEを施行した114例(男性73,女性41,平均年齢65歳,41~83歳)を対象に,平均胃通過時間,全小腸観察率,平均小腸通過時間,有所見率について検討した.また,NSAIDsと抗血栓薬の内服の有無による所見について検討した.CEの前処置として,検査前日に大腸用検査食,就寝前にセンノサイド3T及びクエン酸マグネシウム1包内服.検査当日朝8時30分に来院し,臨床検査技師,看護師,医師同席の下でCEを服用.リアルタイムモニターで食道を通過したことを確認.2時間後より飲水可,4時間後より軽食可,17時30分に再度来院し検査終了.基本的に全例外来で施行している.CE機器はPillCam SBおよびSB2,RAPIDワークステーションを使用した.読影に関しては読影センターのパソコンとの専用回線で画像を転送し,翌日には結果が送られるシステムである.【成績】検査目的の内訳は,原因不明消化管出血(OGIB)81例,(71%),腹痛9例,(7%),腸閉塞5例(4%),その他19例(16%)であった.胃平均通過時間は46.8分,全小腸観察率は72.8%(83/114),平均小腸通過時間は261分であった.有所見率は93%(106/114)であり,病変の内訳は出血7例,潰瘍15例,びらん23例,angioectasia 29例,発赤37例,ポリープ6例,SMT 5例,条虫回虫3例,小腸外病変3例であった.NSAIDsと抗血栓薬の内服の有無による所見では,内服あり32例,内服なし83例であり,出血7例(あり1,なし6),潰瘍15例(8,7),びらん23例(7,16),angioectasia 29例(12,17),発赤37例(13,24)であった.また,便潜血陰性でも小腸潰瘍が存在する1例も経験した.【結論】当院におけるCEの現状について検討した.NSAIDsと抗血栓薬の内服によってangioectasia,小腸潰瘍を合併する症例を多く認めた.同患者の貧血精査には上下部内視鏡検査に加えたCE検査が有用である.
索引用語