セッション情報 | 口演小腸 IBD 1 |
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タイトル | O-249:炎症性腸疾患に合併したストーマ周囲壊疽性膿皮症(PG)の検討 |
演者 | 工藤 克昌(東北大学胃腸外科) |
共同演者 | 柴田 近(東北大学胃腸外科), 小川 仁(東北大学胃腸外科), 長尾 宗紀(東北大学胃腸外科), 羽根田 祥(東北大学胃腸外科), 大沼 忍(東北大学胃腸外科), 森川 孝則(東北大学胃腸外科), 田中 直樹(東北大学胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学胃腸外科), 神山 篤史(東北大学胃腸外科), 三浦 康(東北大学胃腸外科), 内藤 剛(東北大学胃腸外科), 鹿郷 昌之(東北大学胃腸外科), 片寄 友(東北大学統合がん治療外科), 元井 冬彦(東北大学肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学肝胆膵外科), 林 洋毅(東北大学肝胆膵外科), 海野 倫明(東北大学消化器外科) |
抄録 | 目的:炎症性腸疾患の腸管外合併症のひとつとして知られているPGは,急速に拡大する有痛性の潰瘍を形成する皮膚疾患で,ストーマ周囲に発症すると治療に難渋しストーマ管理の妨げとなる重要な疾患である.今回我々は,炎症性腸疾患に合併したストーマ周囲の疾患の背景,治療法,治療結果について検討を行った.対象:当科にて炎症性腸疾患の治療を行った症例で,2001年以降にストーマPGと診断し加療を行った14症例を対象とした.結果:PGの平均発症年齢は26歳で,男性6例,女性8例であった.原疾患は潰瘍性大腸炎(UC)が8例,クローン病(CD)が5例,分類不能型腸炎が1例で,原疾患発症からPG発症までの年数(中央値)は8.2年であった.ストーマ造設からPG発症までの日数(中央値)は,UC 81.5日,CD 43日で,UCの方が長い傾向があった.発症からPGの診断までの日数(中央値)は,UC 14日,CD 67.5日と,CDの方が有意に診断までに時間を要した(p=0.01).治療としては,局所療法のみで改善が認められた症例が2例で,他は局所療法とステロイド全身投与を組み合わせた治療であった.局所治療としては,ステロイド軟膏が6例,タクロリムス軟膏が6例,その他が2例であった.PG治療後ストーマ閉鎖となった症例は7例で,ストーマ再造設術を行った症例が3例であり,いずれも術後に再発を認めていない.残りの3例のうち2例では再燃を認めたが,タクロリムス軟膏による局所療法のみで改善を認めている.考察:UCに合併したPGよりCDに合併したPGでは,診断までの期間が長く,腸管皮膚瘻などのCDの特異的な症状が診断を遅らせていると考えられた.治療としては重症度に応じ,タクロリムス軟膏などの局所療法にステロイドの全身療法を組み合わせる治療が有効であると考えられた. |
索引用語 |