セッション情報 口演

小腸 IBD 1

タイトル O-250:

CT enterographyによるクローン病治療法の選択

演者 竹内 健(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科)
共同演者 山田 哲弘(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 鈴木 康夫(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 竜 美幸(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 勝俣 雅夫(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 菊地 秀昌(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 岩佐 亮太(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 古川 竜一(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 曽野 浩治(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 長村 愛作(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 中村 健太郎(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 青木 博(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 吉松 安嗣(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 津田 祐紀子(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科), 高田 伸夫(東邦大学医療センター佐倉病院消化器内科)
抄録 【目的】クローン病(CD)の内科治療法の多様化に対し,その適応を明確に規定する基準は現在のところ存在しない.CT enterography(CTE)は腸管及び腸管外のCD病変を詳細に描出可能である.内科治療法の選択と外科治療の適応を規定するCTE画像的特徴を検討した.【方法】2012年4月~8月に当科を受診し同意の得られた30例(男性26例,女性4例)のCD患者を対象とした(平均27.1歳).病型は小腸型17例,小腸・大腸型10例,大腸型3例で,21例はCRP>0.3,20例はCDAI>150の活動性を示していた.CTEはクエン酸マグネシウム等張液(マグコロールP)1.8Lを分割して服用させた後に造影CTを行った.CTE画像は(1)腸管壁肥厚・造影増強,(2)腸間膜血管拡張,(3)腸間膜脂肪織濃度増加,(4)リンパ節腫脹と(5)腸管壁の層状変化について評価した.さらに,CDに対する各治療法の有効性とCTE画像の関係性について検討した.【結果】X線造影検査と内視鏡検査により診断された活動性病変は,CTEにより(1)壁肥厚・造影増強:感度96.3%/特異度100%,(2)腸間膜血管拡張:85.2/100%,(3)腸管膜脂肪織濃度上昇:92.6/100%,(4)リンパ節腫脹92.6/66.7%と良好に描出された.以上の画像的特徴に加え(5)腸管壁の層状変化も認めた6例に抗TNF-α抗体製剤を,3例にアザチオプリンを導入したところ,全てでCRP,CDAIの改善を認めた.CTE時に既に抗TNF-α抗体が使用されていた12例で,半年以上,寛解維持されている2例では腸間膜血管拡張と腸管壁の層状変化は認められなかった.(1)~(4)の画像的特徴と高度の多発性狭窄を認め,狭窄部に層状変化が指摘されなかった1例に手術が行われた.【結語】CDにおいてCTEにより腸管壁及び腸間膜血管等の変化を詳細に検討することは,抗TNF-α抗体製剤をはじめとした内科的治療法あるいは手術の選択に重要な情報を提供し得ると考えられた.
索引用語