セッション情報 |
口演
小腸 IBD 1
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タイトル |
O-252:クローン病狭窄病変に対する内科治療の限界と手術適応
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演者 |
蓮井 桂介(弘前大学消化器血液内科学講座) |
共同演者 |
石黒 陽(国立病院機構弘前病院消化器血液内科), 平賀 寛人(弘前大学消化器血液内科学講座), 櫻庭 裕丈(弘前大学消化器血液内科学講座), 福田 眞作(弘前大学消化器血液内科学講座) |
抄録 |
【目的】クローン病(以下CD)において狭窄病変の取り扱いは診断,治療面において重要課題である.線維性狭窄と炎症性狭窄との鑑別も重要である.炎症性狭窄であれば内科治療に反応が得られるが,線維性狭窄は外科治療,内視鏡的拡張術の適応となる.MRI,PET-CTにおいても鑑別は容易ではなく,さらにこれらの変化は共存することも報告されている.【方法】症状を有する狭窄病変について同一条件で線維性狭窄を明らかにする目的でIFX(0,2,6w,以降8週毎投与)+SH 40 mg(2週以降減量)を投与した.その他の治療は継続とした.内径の変化を内視鏡検査,造影検査により定量し,4週間での反応性とその後の2年間の経過に及ぼす影響を検討した.16症例,28狭窄病変について検討した.【結果】内径の反応性は同一症例においても多様であった.16例中4例,28病変中9病変が外科手術となった.手術例での線維化のGRADEは(1:粘膜下層に認めるが全層でない,2:粘膜下層から固有筋層表層,3:固有筋層全層)で分類すると,2.78±0.14であった.16例中12例,28病変中21病変は2年間において手術が回避された.Receiver-operating characteristics(ROC)curveでは治療前の腸管内径による手術予測はAUCで0.7028(95% CI, 0.5024-0.9.32,p=0.0853)であったのに対し,治療後の腸管内径による予測は<6.3 mm以下で感度100.0% 特異度95.0%,AUCは0.9778(95% confidence interval[CI],0.9296-1.026,p<0.0001)であった.【結語】以上の結果より本治療後の残存病変は線維性狭窄であり,反応性をもとに外科もしくは内視鏡的拡張術の適応の予測因子となり得ることが示唆された. |
索引用語 |
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