セッション情報 口演

小腸 IBD 2

タイトル O-255:

クローン病に対する10年以上のインフリキシマブ長期投与例の検討

演者 長坂 光夫(藤田保健衛生大学消化管内科学)
共同演者 藤田 浩史(藤田保健衛生大学消化管内科学), 丸山 尚子(藤田保健衛生大学消化管内科学), 鎌野 俊彰(藤田保健衛生大学消化管内科学), 小村 成臣(藤田保健衛生大学消化管内科学), 生野 浩和(藤田保健衛生大学消化管内科学), 城代 康貴(藤田保健衛生大学消化管内科学), 大森 崇史(藤田保健衛生大学消化管内科学), 河村 知彦(藤田保健衛生大学消化管内科学), 中井 遥(藤田保健衛生大学消化管内科学), 市川 裕一朗(藤田保健衛生大学消化管内科学), 釜谷 明美(藤田保健衛生大学消化管内科学), 米村 穣(藤田保健衛生大学消化管内科学), 大久保 正明(藤田保健衛生大学消化管内科学), 石塚 隆充(藤田保健衛生大学消化管内科学), 田原 智満(藤田保健衛生大学消化管内科学), 中川 義仁(藤田保健衛生大学消化管内科学), 柴田 知行(藤田保健衛生大学消化管内科学), 高濱 和也(藤田保健衛生大学消化管内科学), 平田 一郎(藤田保健衛生大学消化管内科学)
抄録 クローン病(CD)に対する治療としてインフリキシマブ(IFX)が本邦で保険収載されて10年が経ち,CD患者のQOLは向上した.当科のCDに対する10年以上の長期IFX投与例を検討した.<方法>2002年CDに対してIFXを導入し2012年9月までに10年以上が経過した症例に関して臨床症状,臨床検査値,内視鏡的評価などの臨床所見を検討した.<結果>2002年にIFXを導入した症例は18例で現在も当院に通院中で経過観察可能な長期経過例は11例であった.そのうち現在もIFX継続投与中の症例は7例,非継続症例は4例.IFX非継続群の中止理由はIFXアレルギー,維持療法未承認,イレウスであった.IFX導入前の背景は継続群・非継続群でそれぞれ男性(4例・3例),女性(3例・1例),平均年齢(32.4歳・30.8歳),平均罹病期間(10.4年・10.8年),小腸大腸型(4例・3例),大腸型(3例・1例),手術歴を有する症例(4例・3例),平均体重(54.7kg・51.3kg)平均CRP(3.3mg/dl・1.8 mg/dl),平均CDAI(234・177)であった.10年経過後の継続群・非継続群の平均体重は(61・6kg・52.3 kg),平均CRP(0.6mg/dl・0.3mg/dl),平均CDAI(138・156)であった.CDAI寛解率は(71%・50%),内視鏡的粘膜治癒率は(67%・25%)であった.IFX継続群,非継続群の両群共に10年後はCRP,CDAIは低下しており,体重も増加していた.IFX継続群は非継続群に比してCDAI寛解率と内視鏡的粘膜治癒率が高かった.<考察>今回の検討ではIFX導入後の10年の結果はIFX継続例と非継続例では臨床所見において明らかな有意差は認めなかった.これは現時点で10年以上の長期経過症例が少数であることと,導入当初はIFX維持投与が認められていなかったためepisodicな投与で導入されていることに起因すると考えられた.
索引用語