セッション情報 口演

胃・十二指腸 他

タイトル O-260:

当院におけるPEGの現状と予後因子や栄養状態の検討

演者 八杉 晶子(独立行政法人国立病院機構浜田医療センター)
共同演者 生田 幸広(独立行政法人国立病院機構浜田医療センター), 宮石 浩人(独立行政法人国立病院機構浜田医療センター), 程塚 正則(独立行政法人国立病院機構浜田医療センター), 岡本 英司(独立行政法人国立病院機構浜田医療センター)
抄録 【目的】経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)は経口摂取困難の症例に対して広く行われている.しかし患者は全身状態不良のことが多く,造設後短期間での死亡を経験することもしばしばある.今回我々は胃瘻造設後の予後に関する因子を解析し問題点や改善点を検討した.【方法】2011年1月から2012年3月までにPEGを施行した129例(男性66例,女性63例,平均年齢83.0±8.9歳)を対象とし,早期死亡や退院転機,造設100日後の予後に関して,年齢,性別,肺炎の既往,造設前Alb,CRP,造設前の経管栄養の有無,造設前投与kcal,予後推定栄養指数(prognostic nutritional index;PNI)について単変量・多変量解析を行った.PNIは小野寺らの予後推定栄養指数[O-PNI=10×Alb(g/dl)+(0.005×リンパ球数/mm3)]を用いた.【成績】造設後30日以内の早期死亡は12例あり,死亡原因は誤嚥性肺炎5例,原疾患死4例,不詳の死3例であった.単変量解析では造設前経管栄養の有無(p=0.007),造設前CRP(p=0.04)が有意な危険因子であったが,多変量解析では有意差を認めなかった.退院時の検討では在院死亡は22例(誤嚥性肺炎11例,原疾患死6例,不詳の死5例)であった.単変量解析では男性(p=0.046),造設前経管栄養の有無(p=0.01),造設前CRP(p=0.004)が有意な危険因子であったが,多変量解析では男性(p=0.04)のみ有意差を認めた.造設後100日時点での経過が判明している92例(死亡22例,生存70例)では,単変量解析では男性(P=0.04),造設前経管栄養の有無(p=0.045),造設前CRP(p=0.0006),造設前O-PNI(p=0.03)が有意な危険因子であったが,多変量解析では有意差を認めなかった.【結論】胃瘻造設に際しては全身状態や栄養状態を考慮し適応を検討してゆく必要がある.また栄養状態の把握や,経管栄養による栄養改善を図ることが予後に関与している可能性が示唆された.
索引用語