セッション情報 | 口演大腸 高齢者1 |
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タイトル | O-266:当院における高齢者潰瘍性大腸炎―高齢発症患者と経過により高齢となった患者の特徴― |
演者 | 小川 修(虎の門病院消化器内科) |
共同演者 | 松井 啓(虎の門病院消化器内科), 土門 董(虎の門病院消化器内科), 古畑 司(虎の門病院消化器内科), 山下 聡(虎の門病院消化器内科), 菊池 大輔(虎の門病院消化器内科), 三谷 年史(虎の門病院消化器内科), 飯塚 敏郎(虎の門病院消化器内科), 布袋屋 修(虎の門病院消化器内科), 貝瀬 満(虎の門病院消化器内科) |
抄録 | 【背景】潰瘍性大腸炎(UC)の高齢患者は増加傾向にある.高齢UC患者の中には高齢発症患者と経過により高齢となった患者が含まれる.UCの高齢発症患者と若年発症患者を比較した文献は散見されるが,高齢発症患者と高齢となった患者を比較した文献はあまり見られない.【目的】高齢者UC診療の一助とするため,高齢発症患者と高齢となった患者の特徴を検討してみた.【方法】2012年9月当院で診療を受けている65才以上の高齢UC患者77例(高齢発症患者22例,高齢となった症例55例)において,重症度・病型・臨床経過分類・治療・臨床経過を検討した.【結果】初診時重症度では,高齢発症患者では軽症11例・中等症8例・重症3例,高齢となった患者では軽症23例・中等症21例・重症1例,と高齢発症患者に重症が多い傾向にあった.病型では大きな違いはなかった.臨床経過分類では,高齢発症患者では初回発作型11例・再発寛解型9例・慢性持続型2例,高齢となった患者では初回発作型16例・再発寛解型35例・慢性持続型4例と,高齢発症患者では初回発作型,高齢となった患者では再発寛解型が多い傾向があった.治療において高齢発症患者はステロイド抵抗患者0例,ステロイド依存患者2例と,共に少なく治療反応性が良い傾向があった(高齢となった患者はステロイド抵抗患者3例,ステロイド依存患者15例).また,高齢となった患者に多い再発寛解型患者の平均最終再発年齢は64.4才であった(高齢発症の再発寛解型患者の平均最終再発年齢は77.6才).【考察】高齢発症患者は初回発作型が多く治療反応性が良い.また,高齢となった患者は再発寛解型が多く,その平均最終再発年齢は65才以下である.両者の特徴は異なるが,高齢UC患者は軽症で治療反応性が良い可能性が推測された.しかし,高齢者UC診療では,UC発症患者が重症で受診することや合併症や治療に対する副作用が多いことを考慮し慎重に診療にあたる必要がある. |
索引用語 |