セッション情報 | 口演FD |
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タイトル | O-283:生活習慣病に対する消化管手術の有効性,減量手術の体重減少効果および糖尿病改善効果 |
演者 | 内藤 剛(東北大学病院胃腸外科) |
共同演者 | 田中 直樹(東北大学病院胃腸外科), 宮地 智洋(東北大学病院胃腸外科), 井本 博文(東北大学病院胃腸外科), 森川 孝則(東北大学病院肝胆膵外科), 長尾 宗紀(東北大学病院胃腸外科), 羽根田 祥(東北大学病院胃腸外科), 工藤 克昌(東北大学病院胃腸外科), 大沼 忍(東北大学病院胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大学病院胃腸外科), 鹿郷 昌之(東北大学病院胃腸外科), 元井 冬彦(東北大学病院肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学病院肝胆膵外科), 林 洋毅(東北大学病院肝胆膵外科), 岡田 恭穂(東北大学病院肝胆膵外科), 片寄 友(東北大学病院肝胆膵外科), 三浦 康(東北大学病院胃腸外科), 柴田 近(東北大学病院胃腸外科), 海野 倫明(東北大学病院肝胆膵外科) |
抄録 | 病的肥満症や糖尿病に対する手術は我が国ではまだ少ないが,我が国における肥満症患者は食生活の欧米化に伴い急激に増加している.中でもBMI35以上の高度肥満症は糖尿病などの代謝疾患を合併していることが多く生命予後を短縮させる.一方近年減量手術の糖尿病改善効果が注目されている.今回当科における減量手術施行例の減量効果および糖尿病改善効果を報告する.当科では平成22年10月より減量手術を開始した.手術適応はBMI35以上もしくは32以上で糖尿病を合併するものとしている.術式は腹腔鏡下袖状胃切除術(LSG)および腹腔鏡下袖状胃切除術+十二指腸空腸バイパス術(LSG+DJB)で糖尿病重症例ではLSG+DJB,糖尿病軽症例ではLSGとしている.平成24年8月までに13例の減量手術を施行した.内訳はLSG 8例,LSG+DJB 5例,男女比は5:8,平均年齢は43才であった.術前の平均BMIは44.9(35.0-57.5).糖尿病合併例は9例,術前HOMA-IRでは9例で2.5以上であり最高値は13.5であった.手術時間はLSGでは平均151分,LSG+DJBでは270分であった.術後経過は良好で周術期合併症は認めていない.これらの症例の超過体重減少率は術後6ヶ月で41.1%,12ヶ月で48.3%であった.HOMA-IRは術前平均4.7であったが,術後6ヶ月では2.1と著明なインスリン抵抗性の改善を認めている.特にLSG+DJBにおける糖尿病改善効果はめざましく,4例で薬物治療を必要としない寛解状態を得ており,残る1例も大量のインスリン投与から内服薬のみの治療へと移行して良好な血糖コントロールを得ている.今後病的肥満症は我が国でも増加してくると考えられ,これらに対する外科的治療法の確立は必須である.また糖尿病治療の新たな選択肢として外科的療法の可能性が広がってくるものと考える. |
索引用語 |