セッション情報 口演

バレット食道

タイトル O-289:

日本人におけるバレット食道と肥満の関係

演者 新海 洋彦(東北大学大学院消化器病態学分野)
共同演者 飯島 克則(東北大学大学院消化器病態学分野), 小池 智幸(東北大学大学院消化器病態学分野), 阿部 靖彦(東北大学大学院消化器病態学分野), 大楽 尚弘(いわき市立総合磐城共立病院), 猪股 芳文(JR仙台病院), 萱場 尚一(岩手県立胆沢病院), 及川 智之(八戸市民病院), 大矢内 幹(大崎市民病院), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院), 星 達也(気仙沼市立病院), 大原 秀一(東北労災病院), 下瀬川 徹(東北大学大学院消化器病態学分野)
抄録 【目的】バレット食道に関連している危険因子として,男性,喫煙,胃酸逆流症状,肥満などが報告されているが,これらは全て欧米からの報告で,本邦を含むアジアからの報告は極めて少ない.本邦ではバレット食道(特にlong-segment)の罹患率が低いため単一施設からの多数例での検討が難しく,またバレット食道の危険因子に関しては人種間で大きく異なることが知られており,long-segmentの多い欧米のデータがそのまま,日本に当てはまるかどうかは不明である.今回,日本人におけるバレット食道の危険因子,特に肥満との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】2010年4月から2012年3月の期間で,東北大学病院消化器内科,及び関連病院で上部内視鏡検査を施行された患者のうち,年齢20歳以上,内視鏡上2cm以上のバレット食道を有する114例(男性93例,女性21例)を対象とした.性・年齢をマッチさせた内視鏡的に異常を認めないものをコントロールとし,各患者背景の比較を行い,バレット患者の危険因子を検討した.【結果】平均年齢63.4±13.0歳,男性61.5±12.3歳,女性71.8±13.3歳であり,女性で有意に高齢であった.バレット粘膜最大長は平均4.0±2.1cm,全周長は平均2.4±1.9cm,3cm以上の症例はそれぞれ82例,34例であった.BMIはバレット患者24.4±3.8kg/cm2,コントロール群23.4±3.0kg/cm2であり,有意差を認めた.単変量解析ではBMI23未満を基準とすると,BMI23以上25未満でオッズ比(OR)1.97,95%CI1.03-3.77,BMI25以上でOR2.10,95%CI1.16-3.82であり,trend P<0.01であった.【結論】今回の2cm以上の明らかなバレット食道患者のみを対象とした検討では,肥満はバレット食道の危険因子であった.
索引用語