セッション情報 | 口演GERD 病態 |
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タイトル | O-292:非びらん性逆流性食道炎(NERD)患者の伸展刺激に対する食道知覚閾値の検討 |
演者 | 山崎 尊久(兵庫医科大学内科学上部消化管科) |
共同演者 | 大島 忠之(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 富田 寿彦(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 清 裕生(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 奥川 卓也(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 近藤 隆(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 櫻井 淳(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 池原 久朝(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 田中 淳二(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 福井 広一(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 渡 二郎(兵庫医科大学内科学上部消化管科), 三輪 洋人(兵庫医科大学内科学上部消化管科) |
抄録 | 【目的】近年,機能性消化管障害の解明が進むにつれ,胸やけ症状発現に深く関与している食道知覚過敏への注目が高まっている.しかし,これまで日本人NERD患者で酸の化学刺激による食道知覚の検討は報告されているが,伸展刺激による基礎的検討の報告はなく,もちろん化学刺激と伸展刺激の相関を検討した報告もない.そこで今回我々は,NERD患者の食道知覚閾値をBarostatによる伸展刺激を用いて検討し,さらに化学刺激と伸展刺激の相関に関しても検討した.【方法】対象は,上部消化管内視鏡検査で逆流性食道炎を認めず,自己記入式アンケート(FSSG)が8点以上のNERD患者10例,健常人10例とした.化学刺激は食道内圧検査でLESを同定し,LESより口側10cmにカテーテルを留置,同部位よりまず生理食塩水を2分間,酸(pH1.0)を10分間滴下した.最初に胸やけなどの定型症状を自覚した時間から試験終了までの時間(T),試験終了時のVerbal descriptor scaleを用いた強度(I)を算出し知覚スコア:APSS=強度(I)×時間(T)/100)を用いて評価した.伸展刺激は食LESより口側10cmに留置したバルーンを加圧し,初めてバルーンの存在を感じる閾値:IPT(Initial perception Threshold),痛みを感じる閾値:PT(pain threshold),不快感を伴う閾値(maximal pain)を記録し圧閾値を検討した.【結果】NERD患者のIPTは14.8±10.9 mmHg,PTは25.8±13.8 mmHg,maximal painは37.0±11.6 mmHgで,健常人の30.0±14.5 mmHg,46.4±13.3 mmHg,50.1±10.6 mmHgと比べ各々有意に低値を示した(P=0.008,P=0.002,P=0.016).またAPSSとIPT,APSSとPT,APSSとmaximal painも有意に相関を示した(P=0.003,P=0.003,P=0.003).【結論】NERD患者において機械的伸展刺激による食道知覚閾値は健常人と比して有意に低下しており,また化学刺激と伸展刺激は有意な相関を示した. |
索引用語 |