セッション情報 |
口演
GERD 病態
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タイトル |
O-294:NERD患者の胃酸逆流のメカニズムと逆流後の胃酸上昇パターン
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演者 |
佐野 弘仁(日本医科大学消化器内科学) |
共同演者 |
岩切 勝彦(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 川見 典之(日本医科大学消化器内科学), 田中 由理子(日本医科大学消化器内科学), 星野 慎太朗(日本医科大学千葉北総病院消化器内科), 梅沢 まり子(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学) |
抄録 |
【目的】われわれは,逆流性食道炎(RE)患者では重症REになる従い,食道内に逆流した胃酸は口側へ上昇し易いことを報告しているが,非びらん性胃食道逆流症(NERD)患者における胃酸逆流のメカニズム,逆流後の胃酸上昇パターンは明らかではなく検討を行った.【方法】対象は健常者13例,NERD13例,軽症RE12例である.食前にLES静止圧の評価を行った後,食事(固形食691kcal,脂肪33%)摂取後3時間の食道内圧・pH(LES口側2cm,7cm)同時測定を座位の姿勢にて行った.内圧測定はhigh-resolution manometryにより行った.測定項目は,LES静止圧,胃酸逆流のメカニズム,一過性LES弛緩の頻度,一過性LES弛緩時の胃酸逆流の合併率(LES口側2cm,7cm)である.【成績】各群のLES静止圧に違いはなかった.各群の胃酸逆流のメカニズム(LES口側2cm)は全て一過性LES弛緩に伴うものであり,各群の一過性LES弛緩頻度も各群間で違いはなかった.一過性LES弛緩時のLES口側2cm部位での胃酸逆流の合併率は各群による違いは認めなかったが,NERD群のLES口側7cmでの胃酸逆流の合併率(37.5%(35.2-46.0),median(interquartile range))は軽症RE群(30.5%,15.2-40.0),健常者群(11.8%,0.0-17.2)に比べ有意に高率であり,また軽症RE群の合併率は健常者群よりも有意に高率であった.【結論】NERD患者の胃酸逆流のメカニズムは一過性LES弛緩であった.NERD患者の胃酸逆流パターンは軽症RE群よりも,さらに逆流液が上昇し易い状況あった.逆流症状出現に関連する重要な因子は上部食道への逆流であることを考えると,NERD患者が逆流症状を伴い易い状況であることが明らかとなった. |
索引用語 |
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