セッション情報 口演

治療抵抗性GERD

タイトル O-296:

PPI治療抵抗性逆流性食道炎患者における治療方法の検討

演者 三浦 洋輔(恵み野病院消化器内科)
共同演者 千坂 賢次(恵み野病院消化器内科), 後藤 学(恵み野病院消化器内科)
抄録 【目的】PPI服用にも関わらず,逆流性食道炎症状の改善が十分に得られなかったPPI治療抵抗性逆流性食道炎患者における治療方法を検討する.【対象】過去に逆流性食道炎と診断され,ラベプラゾール,オメプラゾール,ランソプラゾールのいずれかのPPIを4週間以上服用しているにも関わらずFスケール問診票(FSSG)の総合計スコアが8点以上,もしくはいずれかの個別症状3点以上の患者【方法】本検討は2011年11月より当施設にて開始した.上記対象で文書および口頭にて試験参加の同意を得られた患者にエソメプラゾール(EPZ)20mg/日を投与した.主要評価項目はEPZ投与4週後のFSSG総合計スコアの変化とした.副次評価項目はEPZ投与1週後のFSSG総合計スコア変化,EPZ投与1週後,4週後のFSSG酸逆流症状,運動不全症状のスコア変化,およびEPZ投与後1週間の患者日誌症状スコアの推移とした.【成績】評価可能な24症例において検討した.平均年齢は56.0±17.8歳,男女比は1:2であった.FSSG総合計スコアはEPZ投与後4週で16.75±6.99から11.25±7.12に減少した(p<0.01).EPZ投与1週後のFSSG総合計スコアは16.75±6.99から13.95±7.71に減少した(p<0.05).EPZ投与1週後,4週後のFSSG酸逆流症状スコアはそれぞれ9.17±4.40から7.66±4.59(p<0.05),9.17±4.40から5.79±4.02(p<0.01)に減少し,運動不全スコアはそれぞれ7.58±3.72から6.29±3.98(p<0.05),7.58±3.72から5.41±4.04(p<0.01)に減少した.また,EPZ投与後1週間の患者日誌症状スコアは投与後1日目から有意な減少がみられた.(p<0.01).【結論】症状が残存しているPPI治療抵抗性逆流性食道炎患者に対してEPZ20mgの投与は治療の選択肢の1つになりうる可能性が示唆された.今後も症例の蓄積を重ねていきたい.
索引用語