セッション情報 口演

治療抵抗性GERD

タイトル O-298:

GERD患者の治療実態及び第2世代PPIの有効性

演者 長村 愛作(東邦大学医療センター佐倉病院・内科)
共同演者 勝俣 雅夫(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 竜 美幸(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 菊地 秀昌(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 岩佐 亮太(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 古川 竜一(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 山田 哲弘(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 曽野 浩治(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 中村 健太郎(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 青木 博(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 吉松 安嗣(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 津田 裕紀子(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 竹内 健(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 高田 伸夫(東邦大学医療センター佐倉病院・内科), 鈴木 康夫(東邦大学医療センター佐倉病院・内科)
抄録 【目的】近年,本邦の胃食道逆流症(GERD)患者でプロトンポンプインヒビター(PPI)治療にも関わらず40~70%の患者で胸やけ,逆流感などの酸逆流関連症状が残存しているとの報告がある.また2011年7月に強力な酸分泌抑制効果を有する第2世代PPIのエソメプラゾール(EPZ)が使用可能となった.本研究では従来PPIの治療実態,及びEPZ20mgの有効性を検討した.【方法】本研究のPPI治療評価にはGERD症状に特異的なGerdQ問診票を使用した.2011年9月から2012年3月に消化器内科外来を受診した従来PPI服薬中GERD患者を対象に,治療反応不良(有症状日数またはQOL障害日数:2日/週以上),症状残存(有症状日数:1日/週以上)の患者割合を調査した.また試験期間中の新患外来における未治療GERD患者,及び治療実態調査にて症状残存であった患者を対象にEPZ投与2週後の有効率(治療反応不良の非該当率)を検討した.【結果】83名のGERD患者に対して治療実態を評価した.男性37名,年齢63.5±12.3,BMI 23.3±4.1,95.2%(79/83)が従来PPI標準量を服薬していた.治療反応不良27.7%(23/83),症状残存41.0%(34/83)であった.治療反応不良に関与する因子(年齢,BMI,性別,喫煙,飲酒,主食,食道炎所見)を検討したところ,飲酒あり(単変量OR:0.26,多変量OR:0.19)で有意に低率であった(p<0.05).未治療GERD患者12例に対するEPZの有効率は91.7%であった.また症状残存にて薬剤変更の同意が得られた患者12例に対する有効率は8.3%→58.3%と有意に改善した(p<0.05).【結論】本研究では従来PPI標準量の服薬率が高かったが,GERD症状の抑制効果は十分でなかった.GERDはQOL低下が問題となるが,患者は飲酒制限を行っている可能性もある.EPZは未治療患者のみならず,従来PPI効果不十分患者に対しても有効であることが示唆された.
索引用語