セッション情報 口演

治療抵抗性GERD

タイトル O-299:

機能性胃腸症合併GERD患者の背景因子の特徴

演者 井澤 晋也(愛知医科大学消化器内科)
共同演者 舟木 康(同中央臨床検査部), 田村 泰弘(愛知医科大学消化器内科), 近藤 好博(愛知医科大学消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医科大学消化器内科), 増井 竜太(愛知医科大学消化器内科), 土方 康孝(愛知医科大学消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医科大学消化器内科), 河村 直彦(愛知医科大学消化器内科), 飯田 章人(愛知医科大学消化器内科), 水野 真理(愛知医科大学消化器内科), 小笠原 尚高(愛知医科大学消化器内科), 佐々木 誠人(愛知医科大学消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医科大学消化器内科)
抄録 【目的】胃食道逆流症(GERD)患者の定型症状に対するプロトンポンプインヒビター(PPI)の治療効果は,機能性胃腸症(FD)合併の有無にて違いを認めることが報告されている.また,われわれはPPI内服中GERD患者の治療満足度評価にて,心窩部痛症候群(EPS)様症状合併例は非合併例に比べ治療満足度が低いことを報告した.そこで本研究ではEPS様症状合併GERD患者の背景因子の特徴について検討したので報告する.【方法】2011年12月から2012年3月に消化器内科を受診したPPI内服中のGERD患者で,治療満足度評価を行った患者180例(男性:81例,平均年齢62.7±14.4歳)を対象とした.EPS様症状の評価はGerdQ問診票の質問3(上腹部中央の痛み)の回答結果を指標に行い,FD合併群,非合併群に分類した.両群間にて性別,年齢,BMI,H.pylori,NSAIDsの関連について検討した.【結果】合併群は25.0%(45/180人)であった.因子別の単変量解析では,合併群で有意に若年者であった(合併vs非合併:55.9±16.0 vs 64.9±13.2歳 p<0.001).性別(男性),BMIでは両群間に差を認めなかったが(合併vs非合併:40.0% vs 46.7%,p=0.491,22.3±3.8 vs 22.9±3.8,p=0.367),H.pylori陽性,NSAIDs服用は合併群で多い傾向があった(合併vs非合併:42.2% vs 27.4%,p=0.093,24.4% vs 13.3%,p=0.101).これら5因子にて多変量解析を行った結果,年齢(OR:0.95,CI 0.92-0.07,p<0.001,H.pylori陽性(OR 2.85,CI 1.30-6.41,p=0.009),NSAIDs服用(OR 2.94,CI 1.14-7.60,p=0.025)は有意に合併との関連を認めた.【結論】GERD患者のうちEPS様症状合併は若年者,H.pylori感染,NSAIDs服用が関連し,PPI治療満足度向上のためには,これらを考慮した対策が有効であると考えられた.
索引用語