セッション情報 口演

大腸 他1

タイトル O-303:

大腸LST-GとNGの粘膜下層の血管様式の差異

演者 後藤 真吾パブロ(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室)
共同演者 坂本 直人(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 三富 弘之(順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学講座), 長田 太郎(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 村上 敬(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 立之 英明(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 上山 浩也(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 松本 健史(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 渋谷 智義(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 永原 章仁(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 荻原 達雄(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室), 八尾 隆史(順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学講座), 渡辺 純夫(順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学教室)
抄録 目的 近年大腸ESDの普及によりLSTは内視鏡診断および治療を行う上で極めて重要な病変群として取り扱われるようになってきた.内視鏡治療を行う際にLST-Gは20mm以上でも局注すると容易に病変が挙上しEMRが可能になるが,LST-NGは同サイズでも挙上し難くESDを要する事が多い.原因として粘膜下層の線維化等が指摘されているが,切除困難な病変でも組織学的には線維化を認めない事も多く,別の要因が関与している可能性も示唆される.我々は粘膜下層の血管の様式に注目し,LST-GとNGの違いを明らかにする事を目的とした方法 2008年から2012年まで当科で内視鏡的に切除された10mm以上の組織学的に腺腫,又は粘膜内癌のLST症例から粘膜筋板が明瞭であり粘膜下層が十分評価出来る28症例を蒐集した.これらの最大割面を用いてHE,EVG,CD31,CD34,第8因子,DARC,D2-40の免疫染色を単独もしくは2種類併用し標本を作製した.病変全体の粘膜下層の連続写真を撮り,各染色を対比しながら細動脈・細静脈・リンパ管を同定し,それらの密度をLST-GとNGで比較した.結果 血管の同定またそれらを区別するにはEVG+第8因子を用いた二重染色方が有効であった.両群間の腺腫・粘膜内癌の比率に差は認めなかった.細動脈の平均密度はLST-NGが32.71/mm2,Gは17.02/mm2であり,細静脈に関しては明らかな差異は無かった.結論 細動脈の密度がLST-Gに比べてNGが有意に高かった.この事が病変の挙上に関与しているかは現時点では明確ではないが両群間の粘膜下層の性状が異なる事が分かった事はこれらの病変を内視鏡治療する上で有意義であると考える.
索引用語